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#16 ふたりではじめる「ファミリーキャリア」

はじめまして。
ファミリーキャリアコンサルタント・ライターのふりふりです。

“リレー形式でパートナーシップについて語る”
フタリノさんアドベントカレンダー、16日目を担当させていただきます。

「私は、夫の自由を奪っていないだろうか」
「私たちは、わが子に自慢できるチャレンジをできているだろうか」

みなさんの投稿を読んで、自問自答しつつですが
今日は「ファミリーキャリア」について書かせていただきます。


忘れられない、あの夜。

「私のキャリアなんか、どうでもいいと思っているんだ」

ボロボロ大泣きしながら、夫にぶつけたのは5年前。
母になって3回目の転職で、新しい会社に入社する前夜でした。

その日は日曜日。
きっと秋晴れに誘われて、いつものように3歳の息子を連れて外出し
家族そろってヘトヘトに疲れていたのでしょう。

息子を寝かしつけた夫が、そのまま寝落ちしちゃったんです。
洗濯物も取り込んだまま、汚れた食器の山。

まるで「ひとりで頑張れ」と、言われているような気がしました。

絶対に、そんなわけないのに。


夫にぶつけた怒りの正体

夫は、私の最大の理解者でありサポーター。

適職が分からない、家庭と仕事の両立にも悩み
国家資格キャリアコンサルタント資格取得の講座に通ったとき

毎週末のワンオペ育児に文句ひとつ言わず、
帰宅するといつも、講座での学びや気づきを聞いてくれました。

講座で実践した、キャリアの棚卸し、適職検査の結果など
自己理解したことを、夫に自己開示することで、自分自身をより深く見つめられたのです。

転職して、ライターとして実績を積みつつ
“ファミリーキャリアコンサルタント”と新しい肩書きを掲げて
パラレルキャリアを歩んでいきたい。

新たなキャリア願望が言葉になったのも
夫の傾聴あってこそでした。

分かってる。でも、許せない。

「毎朝、戦争のように忙しいのに。夜の家事を、持ち越すの?」
「家事が終わらないと、私は自分のことやってはいけないの?」

神妙に聴いて、「ごめんね」と夫。
翌朝から、わが家の「朝ごはん作る担当」は夫になりました。

「夕方や夜は、家のこと任せてしまうから、朝できることはやるよ」

「ありがとう」

応えつつも、そのときの私には
「怒りの正体」が分かりませんでした。

どうして、あんなに、怒りをぶつけてしまったのだろう。
ひそかに何年も、胸がじくじくしていました。
(最近、夫に聞いてみたら、忘れてたと言ってましたが(笑))


朝食はいつもワンプレート&スープ


わたしと、あなたと、時代と。

5年経って、あのときの怒りの正体を、改めて考えてみました。
それは「時代」への憤り。

日本の企業の多くは、
「週5日・平日8時間」出社して働くことに最適化されています。

退勤後に設定される会議。入ってこない情報。
成果主義を謳う人事評価制度、なくならない時短控除。

母になり、時短勤務を選んだ「制約社員」は
マイノリティであり規格外だったのです。

「0歳で保育園に入れるなんて。お母さんが一番いいわよね」

子連れで乗った電車で、見知らぬ方との会話にも
母親が働くこと自体が「罪」なのかな、と動揺しました。

でも、当事者の視点しか持ち合わせていないと
悩みや愚痴が空回りするだけ。

わけの分からない不安や焦りがどんどんたまって、
それらは身近で言いやすい夫にぶつけられたのです。

気づけたのは、私の場合、
ライターとして「時代」に向き合ってきたからかもしれません。

はじめは「働き方」をテーマに、
いまも「テクノロジーによるビジネスの変容」を軸として
多様な立場の人から、いろいろな価値観や行動を聞き、記事を書いています。

「働き方改革」が叫ばれた結果、
変わった企業も、変わらない企業もあること。
変わった人、変わりたい人、変われない人もいること。

男は仕事、女は家庭、という性別役割分担が
日本の経済成長を支えてきた側面があって、
私たち世代もその恩恵を享受していること。

「時代」を紐解くことは、
「私はどうしたいか」考える糸口になるのです。

そして、取材という自分の仕事をきっかけに
新たに知ったことや、考えたことを、夫にも共有してきました。

家事代行やシッターサービスは、贅沢だと遠慮していたけど
「家事育児は女性の仕事」と、無意識のバイアスに囚われていたこと。

人生100年、テクノロジーの進化、地球規模の環境の変化、
大激変の時代だからこそ、無形資産を大切にしたいということ。

何年も対話を積み重ねると、それぞれ意見や視点がありながらも
仕事選びから家庭運営まで、目線が合ってきました。

すると、私ひとりが背負っていると思っていた不安や焦りは
「ふたり」のものに変わっていったのです。

いつしか、怒りは消えてなくなりました。

社会はいきなりは変わらないけど、
時代に対峙する「ふたり」は、いつだって変わっていけます。

この時代で何が起きているのか。

それに対して、
わたしはどう思うか。

あなたはどうしたいのか。

ふたりの話し合いは「ふたりのキャリア」の礎になると、私は確信しています。


かぞくも、じぶんも、しあわせに。

ちなみに、いまではエンジニアの夫と一緒に取材して、共同執筆もしています。(夫にとっては副業)

ふたりでスキルをシェアすると、お互いの新たな一面が見えたり
共通の話題が増えるのも楽しくて、おすすめなのですが、

「ファミリーキャリア」の活動のなかでは
「家では仕事の話はしない」という方によく出会います。

どうして?もったいないかも!

ファミリーキャリアとは、家族としのてキャリア戦略を考えること。

夫婦や親子、婚姻関係や血縁関係でなくても
人生をともにしたいと思える相手とともに、互恵的な関係を築き
家庭をお互いが自己実現するプラットフォームにしていくことです。
(少なくとも私はそう思ってます)

大人が自己実現を目指し、サポートし合う姿を見せることは
子どものキャリア教育の原点になります。

ファミリーキャリアがうまくいって、しあわせに暮らせれば
周りの方の悲しみや困りごとに寄り添うなど、
いわゆる「社会課題」の解決に挑む、余力も生まれてきます。

ちょっと大袈裟かもしれないけれど、
ファミリーキャリアは、世界や地球を守ることにもつながると信じています。


ぜひ、ふたりでファミリーキャリアについて、話し合ってみませんか。

ポイントは2つ。

①自分のキャリアを振り返り、恥ずかしがらずに自己開示する。

②仕事などで感じた「時代の変化」について、意見を交わす。

キャリアとは、轍(わだち)。
歩いてきた道、歩んでいく道、そのものなのです。

かぞくも、じぶんも、しあわせに。
少しお早いですが、新たな年がおふたりにとって
しあわせな一年でありますよう、お祈りいたします。



▼ファミリーキャリアについてお話したい方、お気軽にどうぞ
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1/20(金)、1/21(土)

ご興味のある方は、下記へメールでご連絡ください。SNSのDMでもOKです。

-Mail: rie.career@gmail.com
-Twitter: @familycareer_
-Instagram: familycareer



ファミリーキャリアコンサルタント ふりふりさん

ファミリーキャリアコンサルタント・ライター。
「かぞくも、じぶんも、しあわせに」がマイミッションです。
子連れ転職4回経験、週4勤務の時短正社員、ワーママ副業社員などを経て2018年に独立。親子ワーケーション、家族で2拠点生活、保育園留学など、多様な働き方を実践しながら、現在に至る。「ファミリーキャリア」をテーマに、個人向けキャリア相談や、コミュニティ、法人、自治体での講演セミナーを企画・実施。テックビジネス系のライターとしても各種メディアなどで取材・執筆・講演多数。

▼私のファミリーキャリア、15のエピソードに切り出しています
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