マガジン

  • 映画と暮らし

    2021年11月に映画と出会ってからの暮らしと鑑賞記録

最近の記事

徒を拾う(2)

わたしの幼少期の思い出を構成するもののほとんどが通学路にある。 どんぐりが降り、カブトムシの幼虫が這い、蛇の抜け殻が落ちていた。近所の男の子がBB弾を拾っていた。竹の鳴る音。つるつるの石と苔の坂道。 今でも鮮明に思い出せる風景。とても好きな路だった。と同時に思い出すのが山の虫や獣である。蚊には刺されるし、蛇はしょっちゅう見た。オオスズメバチが体をくの字に曲げてお尻を向けて追いかけてきたこともある。黒い制服を着て歩くのがいつも怖かった。 誰かにスズメバチに2回刺されると死

    • 徒を拾う(1)

      カメラとフィルム、三脚と露出計を携えて出かける。自宅からその日の目的地とした場所まで歩き、途中心動いたもの(こと)を撮影していく、ということを月一回、一年以上続けてきた。今はグレースケールの勉強をしているので絞りとシャッタースピード、EV値などをメモしながら撮影を進める。 熱中症になりそうなほどの汗をかいて歩く。重たい三脚を小脇に抱えるようにして歩く私を、見た人はどう思うだろうか。露出を測っていればビデオカメラと間違えられて前を通ることを遠慮されたり、何でもないものを撮って

      • 映画を観る #1

        映画素人による映画感想文、ゆるりとはじめます。どうかお手柔らかにお願いします。 (そんな下書きを1年以上前に溜めていたので、明日仕事お休みで夜更かししている間に投稿してみます。) ギヨーム・ブラック 1.『女っ気なし』|2013 はじめて観たフランス映画だったと思う(なんと良き出会い!)。 ギヨーム・ブラックの劇場デビュー作。私がヴァカンス映画というジャンルを知った映画でもある。ヴァンサン・マケーニュ演じるシルヴァンのひと夏。いちご、クリーム、砂糖のあのシーンは誰が

        • 映画素人が、8か月で100本の映画を観た話

          こんにちは。雨の木です。 タイトルの通り、わたしは映画という芸術にほとんど触れることなく(作品として観たのは、金ローのジブリや子ども向けアニメ映画、)大きくなった。映画館に行くという娯楽を知らなかったのだ。映画を観るのにいくらかかるとか、何曜日が安いとか、ポップコーンのサイズが結構大きいとか、そんなことすら知らなかった。 そんなわたしが映画を楽しめるようになったのは、現在のパートナーと過ごすようになってからのこと。映画の学校を出た彼は、わたしの知らないことをたくさん教えて

        徒を拾う(2)

        マガジン

        • 映画と暮らし
          1本