見出し画像

こんにちは。常見多聞です。

先日、、、といっても昨年まで遡りますが

AI 2041』という本を読みました。
AIの研究家とSF小説家が話し合って出来た
将来をイメージしたSF小説の短編集です。

その中に「恋占い」というタイトルの小説が
出てきまして、これがなかなか興味深かった
ということで、軽く書いてみようと思います

あらすじは、、、(ちょっとだけネタバレ)
この2041年に、保険会社がAIを導入して
個人情報とリンクさせて、個人の行動を管理
するのですが、

その保険会社のアプリは、
その人の行動を管理し、過去のデータから
その人の身に起きることを将来予測します

過去のデータというのは、あらゆる人間の
行動記録・結果のデータですので、ある意味
将棋のAIのように未来予測をするのです。
将棋のように1つ何かをするとアプリが
反応して、その行動を評価し未来予測が
できるというようなイメージです。

これを食べると健康に良くない、とか
ここに行くと事故の危険がある、とか

アプリの計算によって
その人が健康的に生きていると保険料が
安くなり、
その人が不健康に生きていると保険料が
高くなります。

同じように
安全な生活をしていれば保険料が安くなり
危険な行動をすると保険料が高くなります

つまり人がAIのアプリの指示に従って
リスクが低い生活を自然とするように
なっていくと言うわけです。

この小説の舞台はインドなのですが
表向きはカースト制度が撤廃されたものの
裏ではその風習が残っており、
AIもそれを学習していますので、
関わる人の階層を勝手に予測し、
下の層の人と関わるととトラブルが
増えるとインプットされてしまっています。
(つまり差別などを機械的に行うわけです)

そんな中、ある女の子が
好きになった男の子と仲良くなろうとすると
アプリが反応して保険料が高くなり
親に注意されるわけです。

どうやら、相手の男の子は
いわゆるスラム街に住んでいる子で
この子と距離を縮めるとリスクがあると
AIが判断して、保険料を上げて
女の子の恋路を邪魔するわけです。

この小説がテーマにしていることは
実に多々ありますが、その中の1つは、
AIが人間の行動の善し悪しを判断はするが
そのAIが学習しているデータは全てを
満遍なく網羅しているわけではないので
完璧な将来予測ではないし、
かつ倫理的とは限らないということです。

この優秀かつ不完全なAIの指示に従い
人間がリスクを避けて生活する。
そのリスクは本当なのか?
かつそのリスクを避けることが本当に
倫理的に正しいことなのか?

このAIの判断で差別や格差が逆にうまれ
好きな人と話すことも出来ない。
AIはこの女の子の気持ちを汲み取って
この子向けにカスタマイズしたアドバイスを
することが出来ていません。

しかもそれを判断しているAIは確かに
将棋のAIのように、あらゆることに
正確でもありますので、便利な面もあります
しかしあらゆる情報をまだ学べていない
という側面も同時にあるわけです

占いのアプリも同じで
単にそのAIが保有しているデータだけで
判断しているため、そのデータにはまると
占いは当たりますが、はまらなければ
トンチンカンな答えを出してきます。

これは何もAIだけでなく、占い師も同じで
占いの知識が偏っていたり、
あるいは占いだけしか出来ない占い師は
他のジャンルの幅広い知識がなければ、
その人向けに個別にカスタマイズした結果を
伝えられないということです。

そもそも、これは何をしているのか?
そもそも、この視点で捉えて良いのか?
そもそも、この答え方で正しいのか?
そもそも、それは価値観・倫理的にどうか?

を占術の外から哲学的に考慮できなければ
この馬鹿げたAIのように、過去のデータを
コピーしてそのまま貼り付けるような
占いをしてしまうということです。
(そういう占い師が実に多いわけですが)

なので、やはり本当の占い師というのは
その知識が正しくても範囲が狭ければダメ
仮に知識が満たされていたとしても
占いだけしか学んでいなければ、
その占いで何をしているのかを、哲学的に
占いの外から把握していないのでやはりダメ

つまり、
あらゆるテーマに幅広く精通することが
本当は求められる、そう思うわけです。

ということをずっと思って仕事をして
きましたが、口だけでなく体現するために
2020年から大学に編入し、哲学を学び卒業しましたが、
今でもさまざまな倫理観を学び考えさせられることばかりです。


続きをよむ


風水コンサルティング見聞堂
風水大学

いいなと思ったら応援しよう!