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#ブックカバーチャレンジ その7

「たましいの場所」早川義夫(2002年 晶文社)

2005年,当時FMサウンズが制作していたジェームズ西田さん(ex古時計)の番組にゲスト出演した早川さんにいただいたもの。
この時は一番最初の本「ぼくは本屋のおやじさん」にもサインしてもらったけど、そこに偶然挟まっていた早川書店のブックカバー(藤原マキさん画)をみた早川さんが、「ああ、お店にも来てくれたんだぁ」と言ってくれた。  

ジャックスを解散した後、早川さんは自らのお店「早川書店」をオープン。
1973年から1995年まで、南武線 武蔵新城の商店街で営業していました。
そこに僕が行ったのは、1991年か1992年ごろ。
早川書店は、見た目は全く普通の、小さな本屋さんなんですが、
奥の一角が、アート系だったり、音楽だったりと、コアな品揃えになっていました。そんな店内を物色していたら、奥からふらっと出てきた早川さんが自分の後ろをものすごい小声で「すいません」と行ってすれ違ったとき、
心臓が止まりそうになったほど感動したことを覚えている。

そこからほどなくして早川さんは歌い手として復帰。
早川書店は閉店することになる。
その復帰の時の思いが刻まれているのが、               2002年のこの本「たましいの場所」。

「誰かに悩みを相談するくらいなら、
この本を繰り返し読んだ方がいいとさえ思っています。
これは本当にいい本」宮藤官九郎

「この本に、何回助けられたかわかんないよ」峯田和伸

本当にこの本は素晴らしいです。
早川さんの言葉は、それぞれ、短冊して飾りたいほど名言ばかりだ。
誰か、Twitterで早川義夫名言botを作ってくれないものか。

いつも「死」について歌ってきた早川さんだけど、
近しい方が相次いでこの世を去ってしまった。
2007年にヴァイオリンのHONZIさん
2014年にプロデューサー、                      そしてCes Chiensとして一緒に活動していた佐久間正英さん
2018年に、元ジャックスで、後年は一緒にライブもしていた水橋春夫さん
そして昨年3月に奥さんを亡くされた。
奥さんの看病のために、音楽活動を休止した早川さん。
まだWEBサイトは残っているけど、                  そこに残されていた文章は無くなっている。

「たましいの場所」のあとがきに、早川さんはこう書いている。

「もしも、この本を読んで、僕の歌に興味を持ってくれる人がいたら、  最新作を聴いていただきたい。
 これが、今の僕だからだ。そう胸を張れるのも、これまでに僕と関わってきてくれた、すべての人のおかげである」

この言葉通り、ジャックスの音源よりも、復帰して初めて見たライブよりも、
早川さんは、いつも最新のライブがいちばん心に突き刺さったのだ。
ということで、僕は、早川さんの新しい文章が読みたいし、新しい歌声が聞きたいと思う。


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