風景だけ切り取れば

この数ヶ月間
自分ではどうすることも出来ない
人生の濁流に飲み込まれて
それでも必死に泳いできた

今やっと人生の向こう岸に
たどり着いた

頑張って泳いだわりには
思い通りの岸ではなかったけど
なんとか辿り着くことができた

このたどり着いた岸が
最終地点なのか
また流されてしまうのかは
まだ誰にも分からない　

悪い出来事にも意味があると
人は言うけれど
今の私にはそう思うことができない
そんな余裕のない自分を
責めそうになる

「別に思わなくてもいいよ」

責める自分に蓋をして
弱い自分を許してあげた

気持ちが少し楽になった

気がつけばもう春
青く澄んだ冬の空から
柔らかい水色の空に変わっていた

淡い水色に浮かぶ
ふわふわとしたのんきそうな雲
風が連れてきた花の香り
風景だけ切り取れば
穏やかな現実

これからの人生
こんな穏やかに過ごせますますように

足元に咲く小さな花が
いつもより可愛く見えた