見出し画像

六つ葉のクローバー

ふと思い立って手に取った3年前の日記
この日記を見つけるたびに
なんとなく目をそらしてきた
うさぎが楽しそうに笑っている表紙
書いた中身とのギャップが切ない

久しぶりに思い切って開いてみる
挟んだまま忘れられてた
六つ葉のクローバーが足元に落ちる
そっと手のひらに置くと
あの頃のたくさんの記憶が
次々と私に覆いかかり
あの頃の自分が鮮やかによみがえる

悲しくて苦しい毎日に絶望し
必死にもがいているのに
誰にも話すことができなくて
平気なふりしてヘラヘラしてたあの頃

やっと普通の生活に戻れた今
あの時の自分を抱きしめてあげたい
まだ痛みは少し残っているけど
重すぎる息苦しさはもうない

みんな楽しそうに笑っているのに
なんで自分だけ?
別に悪いことはしていないのに
もっと悪いことしている人たくさんいるのに
そう思いながら、這い上がってきた

時々だけど、まだ心がギュッと痛んで
涙があふれることがある
そんな時には六つ葉のクローバーを見つめながら
そっと自分にささやいてあげよう
「あの痛みのおかげで、そばにあった宝物に
 気が付くことができたんだよ」と
六つ葉のクローバーの花言葉のように
「名誉」を手にすることはなかったけれど

いいなと思ったら応援しよう!