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本当に好きな人とじゃないと

電話であなたを怒らせたと思って
あなたに会って謝った  
あなたは優しい笑顔で
「怒ってなんかないよ」と
首を横に振った

窓から差し込む柔らかい光が
背の高いあなたの顔を照らして
まるで夢を見ているかのような
景色になった

「あぁ、この優しい笑顔を
 いつも見れたらいいのに」と
心と体中の細胞が叫んだ

この人と一緒にいられたら
私、きっと幸せなんだと
思い知らされた

今までの私は
妥協の中でしか
幸せを見つけられなかった
でも、それは
見せかけだけの幸せだった

幸せって本当に好きな人とじゃないと
味わえないんだ
妥協して掴んだ幸せは
努力しても
いつかは手のひらから溢れてゆく
そんなこと、今頃気づくなんて
自分は本当にバカだ

でも、もうバカでも構わない

手が届きそうなのに
すぐに遠ざかってしまう 
あなた

いつか、あなたの隣にいることが
当たり前の日常が
私に訪れてくれたらいいなぁ

そう思いながら
少し私の目に似ている
あなたの目と
細くて長い指先を
交互に見つめ
低くて大好きな声に
ぎこちない笑顔で頷く私がいた


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