カーテンの隙間だけ雲外蒼天
体調を崩して仕事を辞めてから
半年が経った
ある数人の人から
あんな雑に扱われたのは
私が悪かったせいだと
自分で自分を責める毎日から
今はあんな酷い環境の中で
私、よく頑張ってきたなと
思うようになってきた
今通っている病院の先生は
優しく微笑みながら
「自分を責めないでください
大切にしてください」と
何度も言ってくれた
初めはどうやって
自分を大切にするのかが
よく分からなかった
周りの人に合わせることで
波風を立てないように生きてきた私
他の人を大切にするのは得意なのに
自分が何をしてもらったら
嬉しいのかさえ分からない
そういえば
もう何年も心から嬉しいと
思ったことが無かったかもしれない
今日も朝から体調がすぐれない
早く復活しなければいけない
と頭では思うけれど
心の奥で姿を隠している
本当の自分が
小さな声でささやく
「もう少し休んでいたいよ」と
ベットの横にあるカーテンが
5センチくらい空いている
白いレースのカーテンの隙間から
青い空が半分と
綿あめみたいなフワフワ雲が
半分見える
まるで絵に描いてあるような雲が
ゆっくりと形を変えて
移動して行く
私はしばらく頭を空っぽにして
その風景を見つめていた
だんだん綿あめみたいな雲が
少なくなって
やがて青い空だけになった
雲外蒼天
昔どこかで聞いた言葉
私のこれからの未来も
どうか雲外蒼天でありますように