
「設楽原をまもる会」の整備活動ボランティアに参加してきました。
天正3年(1575年)5月21日、織田・徳川連合軍と武田軍が激突し、当時最強を謳われた武田の騎馬隊が馬防柵に阻まれ火縄銃の前に敗れ去ったことで有名な「長篠設楽原の戦い」が行われました。

騎馬隊はなかった、火縄銃は3段撃ちじゃなかった、なんだかんだ諸説入り乱れ、それがまた歴史ファン、オタク、研究者諸々の興味を呼び、話が尽きることはありません。
そんな歴史好きを捉えてやまない「長篠設楽原の戦い」ですが、どこで行われたかといえば、愛知県新城市。ここには全国から歴史ファンが訪れ、各自好きな武将や場面に思いを馳せ、巡られています。
かく言う私も、新城市に移住する前は尾張部に住んでおり、小学生時代に小学館『少年少女日本の歴史』を読んで以来、長年の憧れの場所でありました。そして、歴史好き仲間と長篠城と設楽原古戦場を目指し、東海環状道松平ICから国道301号で道々の城を見学しながら車で移動していたところ、偶然看板を見つけた古宮城に立ち寄り、あまりの迫力に魅了され、色々あって城整備ボランティア活動の立ち上げから関わることになり、気がつけば新城市に移住してしまった、という経緯があります。
ちなみに、長篠城と設楽原古戦場を目指したその日は、城がありすぎて設楽原古戦場や長篠城に辿り着けず、その日は帰りました。。。
さて、そんな日本有数の戦国の現場には、地元の方々によって馬防柵が再現され、見学しやすいように草刈りや腐った柵の交換作業等が行われています。

なんと、今年、その活動が外部開放されボランティアとして参加できることになったのです!やはり全国的に知名度抜群の由緒正しき古戦場の維持に参加できると言うのは、なんかうれしい。
と、いう感覚は、古宮城の整備活動に参加していただいている地区外の方と同じだと思います。
では、どんな状況なのかをお知らせします。
10月22日朝8時30分に現地集合。私は近くの設楽原歴史資料館の駐車場を利用しました。地元の皆さん30名近くが集まり、活動開始。

高齢化が進んでいるそうで、若い人の参加は大歓迎だ、と、アラフィフの私ですが歓迎していただきました。
聞けば、活動も大変になってきて、地元では護岸をコンクリにしてしまうか、と言う話も出ているくらいだそうですが、古戦場の風景が台無しになってしまうので草刈りを頑張って続けているそうです。
これは、ボランティアに参加しに来た甲斐があると言うもの。
作業は、作業区画と作業の最終目標を確認した後、草刈機を持っている人たちが、まず一斉に刈り出します。そして、草刈機を持っていない人達は、安全な場所へ一旦集まって待機。

この間、地元の人たちと色々と話ができるのもうれしい。地元ならではの話や整備活動について色々と聞くことができるのは、ボランティアに来た特権かと。そこから頃合いを見て、草刈機に十分注意を払いながら、草集め班が作業開始。


この草集めの作業が重労働!私もマイ熊手を持って行きましたが、まあ、範囲が広くてひたすら動き回るので、普段使ってない筋肉だけに曇り空で作業には快適な日和にも関わらず汗だくに。
ただ、朝早くから体を動かしていると、普段動かない仕事してる身には新鮮で、しかもなんか良い事してる感じがあるので、すごく気分が良いです。それに、会の皆さん、色々と気遣っていただき、声掛けしてくださるので単独参加でも安心して参加できました。その面でも良かったです。
古宮城は木立の中のため、草がここまで生えずに笹が多いのと運び出し作業は高低差があって行わずに切り捨てのため、作業工程が違うんですね。それに、草刈機班は主郭、枝拾い草集め隊は別の郭、と、離れて作業するため草刈機との接触を気にする必要がないのですが、ここは同じ平野部で一斉作業となるので、注意が格段に必要になる、と言う違いがあることがわかりました。
こうした違いがわかるのも面白いですね。
そうこうしていると、草がすごい集まります。

これを次々と軽トラの荷台に乗せていく。

草を熊手で集めるのは大変だ、と、思っていたら、さすが地元。既に技が開発されており、一旦、刈った草の近くにブルーシートを置き、移動させると熊手で草を移動させる距離が減るのですごく楽。このテクニックは覚えておいて損はないと思いました。

まぁ、どえらい量の草が集まりますので、これは人手が多ければ多いほど楽ですし、素人でも草刈機にさえ気をつければ誰でもできるので、ボランティアに来てくれる人が多いと良いなぁ、と、実感しました。

作業は1時間15分くらいで一旦休憩。その後、最後の片付けをし、2時間(10時30分)で終了しました。正直、やることがあるのであっという間、と言う感じです。
そして、最後に記念撮影。草刈機を火縄銃に見立てて、と言う注文にもノリノリで答えてくれる、ファンキーなおじさん達。

正直、単独参加で不安でしたが、作業開始前から作業中、終了後、一切そんな不安はありませんでした。気安く話しかけてくださり、作業もあるので、こちらも気を使わなくて良かったです。(お茶と飴もご馳走になってしまいました。)
それに何より、地元ならではの話を色々と聞かせてもらえました。再現馬防柵がどこから調達しているとか、昔の地形とか、現地の人じゃないと絶対に知らない、そして、どこにも載っていない情報を教えてもらえるのは、こういう活動に参加した人だけが得られる特権です。

上記のような風景は、さまざまな人の手によって守られている、ということが改めて実感できました。コンクリ護岸になってしまったら、この風景は二度と楽しむことができません。
こうした危機を防ぎ、歴史的現場の維持活動に参加したという、そこはかとない歴史好きのプライドをくすぐってくれる「設楽原をまもる会」へのボランティア参加はお薦めできます!
と、いうのが私の感想です。
なお、草だらけになりますので(笑)、運動しやすく汚れてもよい格好でお越しになると良いでしょう。
遠方の方は、地元の湯谷温泉、立ち寄り湯のゆ〜ゆ〜ありいな、とか、豊川IC方面ならば本宮の湯とかに入っていけば、汗も流せて疲れも取れます。長篠城や古宮城などを巡る時間も朝早いので可能です。
私は、古宮城のボランティアは主催者側として参加しておりましたが、主催者じゃなくボランティアで参加する経験は今回が実は初めてです。(人見知りなので。)
すごく楽しかったです!
募集時期があればシェアしますので、全国の皆さんとお会いできる日を楽しみにしております!
