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リブランディングの視点から見る、mixi2が伝えたいメッセージとは?
リブランディングに携わる立場として、
『mixi2』の登場は特別な感情があります。
2024年12月17日、mixi2がリリースされました。
まさかの出来事に驚きを隠せません。
突然、ラジオから松任谷由実の「リフレインが叫んでいる」が流れた時のような、一瞬、記憶のラビリンスに迷い込んだような気持ちになった人も多かったのではないでしょうか。
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リリース後、情報は瞬く間に広がり、秒単位でユーザーは増加。あらゆるSNSで紹介リンクがシェアされていきました。その勢いから「まるでClubhouseのようだ」と中には懸念の声も出ていますが、なにより違うのは「懐かしさ」を伴うユーザーが数多くいることじゃないでしょうか。
2004年のサービス開始から約20年。
当時、mixiはどれだけの人びとに影響を与えてきたのでしょうか?
2005年12月時点で男女比率は男性が52.2%、女性が47.8%。年齢層で最も多いのは20〜24歳の33.8%、次いで25〜29歳が28.4%、30〜34歳が17.6%。最終ログインが3日以内のアクティブユーザーの割合は、2005年12月時点で全ユーザー数の70%を占め、2007年5月時点では64%となっていた。2006年時点での平均利用時間は3時間29分で日本ドメインでは2位となっていた。ユーザー数は2009年9月30日時点で約1,792万人。
つまり、7人に1人は利用者がいて、そのうちの7割がアクティブユーザーだったということになります。事実、SNSを始めて使ったのはmixiだという方も多いのではないでしょうか。落合陽一さんもmixi2の初コメントで「大人は懐かしさに勝てないw」と投稿していたほど、SNSとしての存在感は抜群でした。
「mixi」という名前が示すもの
さて、そんなmixiの名前の由来はどこから来ているのでしょうか?
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mixiの名前の由来は「mix(交流する)」と「i(人)」の組み合わせた造語です。このように、人と人のつながりを当時から意識したサービスになったのには理由があります。それは、創業者の笠原さんがアメリカの「フレンドスター」というサービスに衝撃を受けつつも、つながった後に何かができる場所がないことに気がついたことです。だからこそ、さまざまなコミュニュケーションが取れるサービスを作ろうと決意した意図がブランド名として反映されています。
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心のインフラをつくるというミッション
また、2017年のインタビューでも分かるように、mixiで創業者・笠原さんが大切にしていることは「居心地の良い場所をつくること」「ストレスなく使ってもらえること」でした。この哲学は、後続サービスとしてヒットをしている家族アルバム『みてね』にも受け継がれています。「世界中の家族のこころのインフラをつくる」というミッションが、その象徴です。このように笠原さんは常にインターネットの発展と共に人と人のつながりを豊かにすることを非常に重要視していることがわかります。
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タグラインに宿るmixiの存在意義
ここからさらにブランディング目線で深掘りしていきます。
まずMIXI社のタグラインは「心もつなごう。」です。
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「ん?心のインフラをつくるでもいいんじゃない?」と思われた方もいるのではないでしょうか?
この「心もつなごう。」には、先の創業者・笠原さんの想いとしてある「居心地の良い場所をつくること」「ストレスなく使ってもらえること」と共に、現社長・木村さんが掲げている「驚き」と「感動」を融合させたメッセージとなっています。
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※ちなみにこのメッセージの引き出し方や見極めが、リブランディングとして非常に重要になります。ので、安易に進めずにリブランディングパートナーにご相談ください。
では実際にどんな風な系譜になるか、図解にしたので見てみましょう。ちなみに、木村社長のメッセージは、会社のホームページより抜粋しています。
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こう並べてみるとより「心もつなごう。」が、創業者の「心理的安全性」と現社長の木村さんの「驚き」という価値観を包括させた定義であるということが分かります。
またMIXI社のロゴ下に配された2色のアンダーバー。これらはそれぞれ「熱いつながり」と「温かいつながり」を象徴しています。タグラインは、それを包括的に示すシンボルなのです。
こうして並べてみるとお気づきかと思いますが、mixi2のロゴマークも2色をグラデーションして融合させたようになっていますよね。
さらに並べてみて分かったのですが、創業者と社長の洋服もそれぞれのコーポレートカラーで宣材写真を撮られていることもお気づきでしょうか。そういったところにもエモさを入れるのがMIXIらしさなのかもしれません(偶然だったらごめんなさい)
mixi2の未来と、ブランディングの視点
mixi2は、20年の時を超えて新しい価値を提供しようとしています。ボタンを押すと飛び交う「エモテキ」。それは単なる装飾ではなく、人々の感情を揺さぶる演出です。
この「エモさ」は、mixiが昔から大切にしてきた「心地よいつながり」の延長線上にあります。そしてそれは、SNSの飽和状態を超えて「再び心の原点に立ち返る」きっかけになるかもしれません。
時を経てまた新たなつながりを結べること、つながりを大切にしてくれるアルゴリズムに、私たちの過去と未来とそして「今」がつながっているのです。
私はブランディングを通じて企業やユーザーの感情をつなぐ架け橋になることを信じていますが、その背景には、人と人のつながり。心と心のつながりの楽しさや喜びがあります。
そのことをわたしも忘れずに、これからも人と心の「あり方」を見つめ続けていきたいと思います。
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