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かしこさの階段「ジャンプ期」の子どもたち

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1 ジャンプ期とは?

「かしこさの階段」最後は「ジャンプ期」です。
ジャンプ期とは

自分が学んできたことをまとめたり発信したりしながら
自分以外の誰かに伝え、理解を深めていく時期

と言えるでしょう。
学級の中には、理解が早くて学習課題をすぐに終わらせてしまう子がいます。
そのような子ども達はこの「ジャンプ期」にいると言えるでしょう。

 しかし、学習課題が早く終わるだけで本当にかしこくなっていると言えるでしょうか?学習した内容を様々な方法で誰かに伝えていくこと。それができるようになってこそ学習は意味のあるものになるのではないでしょうか?

 ジャンプ期には大きく分けて3つの階段があります。その階段とは

説明できる
伝えられる
伝え合える(×人数)

の3つです。

どのような階段なのでしょうか説明していきたいと思います。

⑦説明できる

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自分がやろうとすればできる。
でも、それを相手に教えるとなるとなかなか難しい…。
そのようなことはないでしょうか?

先生であればこの気持ち、痛いほどよくわかるのではないでしょうか。

自分はできるけど、相手にうまく伝えられない。
この段階が「説明できる」の段階です。

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専門用語をならべたて、早口で説明している。
彼は得意顔で説明していますが、周りは頭の上に「???」が並んでいる。
テレビでそんな専門家をよく見ます。

 聞いている相手が本当に理解しているかどうかということを考えず、ペラペラとまくしたてる。あのような状況を思い浮かべると「説明できる」の段階が理解しやすいのではないでしょうか?

学校の学習でもこのような場面をよく目にします。

「ホップ期」「ステップ期」では自分自身の理解が深まれば階段を登ることができました。しかし、「ジャンプ期」は「自分の理解」だけではなく「相手の理解」が大切になってきます。相手が「うーん…」と困った顔で理解できない顔をしていたならば、それは「説明できる」の段階に過ぎません。
 自分だけではなく相手も重要になってくる。これが「ジャンプ期」の特徴です。よく、課題が終わった(「できる」にいる子)が取り組む発展問題を用意することに一生懸命になっている先生をよく目にします。しかし、それを常に準備しておくことは時間的にも難しいのではないでしょうか?そういう意味でも、「できた子」には「説明できるか?」という所に斬り込ませてはどうでしょうか?

⑧伝えられる

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「あー!なるほど!そういうことね!」
「わかったよ!ありがとう!」

このような言葉が相手の口から出る。
それが「伝わる」という階段を登った証拠になります。

自分が説明したことで、相手の理解が深まりかしこくなった。
それが自分の言葉が相手に伝わったということですね。

「伝える」と言っても、そこには様々な伝え方があります。

・「身振り手振り」を用いて一生懸命説明をすることで伝える人もいるでしょう。
・「論文」や「小説」のように文章で表現する人もいるかもしれません。
・「絵」や「図」を使いながら相手の視覚に訴えて伝える人もいます。
・「音楽」という目には見えないもので伝える人もいます。

もしかしたらそんなものにも頼らず、淡々と自分の道を突き進み、
・「背中」で伝えるという人もいるかもしれません。

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このように伝え方には様々な方法があります。
どの方法でどのように伝えていくか?
それを考えていくことで子ども達はより成長していくことになります。
得意な伝え方は人それぞれ違うものです。
「それおもしろいね!」
お互いに認め合い、それぞれの個性を楽しむのもいいですね。

⑨伝え合える

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子ども達によく話すことがあります。
それは「まねびあい」という言葉です。
良い集団というのは人の良い所を見つけた時「まねをすること」を恐れません。
相手を「いいな!」「すごいな!」と思ったら、その良い所をまねをして自分自身の学びにも生かしていく。
そんな雰囲気にあふれている集団はぐんぐん伸びていきます。

「君のそこ面白いね!」
「そのやり方でぼくも次にやってみるね!」

このように相手の良いところをお互いに伝え、まねし合っている関係。
そんな関係が「伝え合う関係」と言えるでしょう。

⑧の「伝えられる」の段階が
「自分の言葉によって相手がかしこさの階段をのぼる」
というように伝える相手が「単一方向」なのに対し「伝え合う」という関係は
「お互いの言葉によって、お互いがかしこさの階段をのぼる」
という「双方向」の関係と言えます。

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 相手の良さを認め、お互いにまねをして高め合う関係性。これが「伝え合う」関係です。この伝え合う関係性をなるべくたくさんの人と気づいていければかしこさはどんどん高まっていきます。
 伝え合う仲間がいること。これは人が生きていく上で大きな力をくれます。伝えるという一方通行から、伝え合えるという双方向へ。階段をのぼっていけるように声をかけていきたいですね。

⑨伝え合う×(かける)人数

 仲良しの人とは「伝え合える」でも知らない人にはその勇気が出ない。そんなことはありませんか。これは子どもでも大人でも言えるだと思います。そんな枠組みから一歩踏み出すための階段。それがかしこさの階段の

「❌(かける)人数」

という部分です。

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仲の良い友達だけでなくてクラス全員と伝え合えたらすごいよね!」
「このクラスだけじゃなくて学年みんなと伝え合えたらさらにいいね!」
学年を超えて、学校みんなと伝え合えたらもっとすごかも!」…

学校の人を超えて市町村の人と
市町村の人を超えて都道府県の人へ
都道府県の人を超えて日本中の人へ
日本中の人から世界中の人へ…
もしかして宇宙人まで?
「伝え合う」ことができる。そんな関係が気づけたらすごいね。

そんなことを私は子どもたちに話します。

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「伝え合う」関係性。
これは大人になっても築くことは難しいと言えるでしょう。
でも、だからこそ子どものころから考える機会をつくっていきたいものです。
この学びが世界へとつながっている。見えない世界を感じさせてあげること。
これが子どもたちの学びを加速させていくのです。


次の章では実際に「かしこさの階段」をどのように活用して子どもたちに語りかけていくのか?
実践編に入ります。

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