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組織が変わった時、自分はどうする?という話。

すこし真面目というか、仕事寄りな話。
あまり一般的な話ではないので分かりにくいかもです。


気が付いたら、今の職場、というか今の会社に入ってから5〜6年になる。実は私は、割と転職経験が多いのだけれど、この職場は安定して長く続いているほうだ。

表現は難しいけれど、今の勤め先は、経営的には安定しつつも、戦略的には攻めた部分もある。世間の認知度としてはそれほど一般的に知られているとは言えないものの、企業規模はそこそこ大きくて、それでいてベンチャー的なフットワークの軽さがある。

中途入社してから、そこで私は総務チックというか事務寄りというかその辺りの界隈で、情報システム部門に居ながら、ありがたいことに、どちらかというと開発作業をさせてもらうという立ち位置に居た。内製バリバリで社内システムを作るスタンスに惹かれて入社して、それでそれなりに満足してやらせてもらっていた。開発メンバーもそこそこ増えて、大小の色んな案件も粛々とこなして楽しい日々を送っていた。

しかし、ここ最近はどうも風向きが変わってきた。

この春から私は、少し毛色の違う業務を担当することになり、それでも現状はまだ、開発作業も引き続き行いながら仕事をしているのだけれど。何やら、私以外の他の開発メンバーも次第に、今までとは異なる業務にシフトしていっているようだった。あまり詳しいことは書かないが、大きな組織改編があるようで、もしかしたら私の今所属しているチームというか部門自体が空中分解するかも、という話も聞いている。それに先駆けて、各メンバーが次の居場所にアサインされ始めているような形に見える。

開発作業は楽しい。この note ではあまり触れていなかったかもしれないが、私はこの仕事が好きだ。前職からこの界隈の仕事は色々やってきたつもりだけれど、社内システムの内製というのはなかなか面白い。事業会社の一部門として、取引先ではなく、内側から組織を支え、成長させていくような実感がある。それが、職種の最も大きい醍醐味だと私は思う。

他方で、それは裏を返せば、一介のサラリーマンに過ぎないということだ。一個人としてはあくまで会社の利益に合致するような働き方が求められる。「開発が楽しいからずっとやっていたい」というわけにはいかないのだ。たとえ社内SE(システムエンジニア)とは言っても、サラリーマンである以上、会社が求める動きをする必要がある。会社側は、経営方針が変われば、そのように従業員を配置換えしていく。

つまり、組織の歯車として機能しないといけない。悪い意味ではない。そうやって組織は成り立っていくのだ。今の歯車が、同じ場所で同じパフォーマンスで機能するとは限らない。それは良い意味で悪い意味でも。

何が言いたいかというと、この先、今の会社に居たらきっと、好きだった開発作業はできなくなるかもしれない、ということ。今までとは方針が変わり、内製でシステムを作り保守していた体制ではなくなり、外注することになって自分達で手を動かすことはしなくなる。そんな未来が見える。

少し前の私だったら、「だったら、いっそ今の会社を辞めて、自分のしたい仕事できる環境に移るか」と考えていたと思う。現に、上に書いたのは私の勤め先というごくごく限られた一例であって、組織によってはバリバリ内製でやっていく方向に舵を切った会社だって存在する。そういう「事業会社内に居ながら開発がしたい」という志向にマッチするような会社は普通にある。その思いを実現したいなら、スキルや条件を一旦棚に上げれば、そういう会社に行けばいいだけの話なのだ。だから、私の勤め先がそうではなかった(そうではなくなった)、というだけで、自分が環境を変えれば済む。

ただ、それでも私は、「まだもう少しこの会社でやっていこうかな」と考えている。たとえ方針が変わってしまっていても、開発とは違う仕事になっても、きっと人生において「何か新しい経験」というのは、それに彩を加えるための良いチャンスになるように思うからだ。「こんな経験もある」というのが、いつか自分の、そして自分に関わってくれる人たちにとっての糧になるように。

組織が変わる。それは経営をしていく上で、生き残っていく上で当然そうなってくる。この先がどうなるのかは分からないけれど、会社としては必然的に変わるのだ。そうなった時に自分はどうする。自分の思いを守るために、信念を貫くために、会社を手段として考えて、「今の場所に見切りをつけて、違う景色を見る」ということも一つの手段だ。でも、個人的には、敢えて「この会社で今までとは違う仕事をすることで、違う景色も見られるかも」とも思っている。所詮は、会社だって手段。仕事も手段だ。だったら、人生が面白そうな方向に、流れに身を任せてみるのも悪くないかな。

というわけで、まだ、少しだけ、しがみついてみよう。そう思った。

いつまでそうするか分からないし、もちろん無理はしないつもりだけれど。まあ、なるようになる。かな。

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