映画 | ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書※あなたは何を失う?
ベトナム戦争を何十年も続けた理由
"アメリカ敗北の不名誉を避けるため"
こんな理由で30年間、嘘を積み重ねてきたアメリカ政府
トルーマン、アイゼンハワー、JFK、ジョンソン…
皆、皆がそんな嘘を踏襲してきたと知り、衝撃でした。
嘘がばれそうになると「これは反逆だ」「厳しく罰せなければ!」とその情報を公表しようとした人々に対し、あの手この手で圧力をかけてくる政府、時の統治者、統治者に従う政府関係者の姿はぞっとするほど厭わしい。
統治者、政府関係者の描写が絶妙
統治者は声だけ、いずこからか電話をしているよう
ホワイトハウスの外から窓越しに
電話で密談・指示をしている統治者の後ろ姿を映し続けます。
報道機関へ圧力をかける政府関係者
電話で物腰、その言葉遣いは丁寧なようで
言ってくることはもう信じ難いことばかり
言うことを聞かなければ反逆罪でぶち込むぞ
というようなことを暗に示すのです。
◇
主人公はトム・ハンクスさん演じる編集者ベン
メリル・ストリープさん演じるワシントン・ポスト紙の経営者キャサリンを軸に物語は進んでいきます。
70年代ってまだまだ、アメリカでも女性軽視だったのですね
経営者たちの会議でキャサリンの存在はまるで"なきもの"のよう
作中、ベンに対してどれだけキャサリンが重い責任を負っているのか
真摯に伝えるシーンがあって、このシーンは本当に大事なところでした。
このシーンがあったからこそ、クライマックスでどれほどキャサリンが勇敢であったか、その決断に至るまでの間にたくさん辛い思いをしてきたのか
それらがこのベンへ奥さんが語りかけるひとつひとつのセリフで
これまでの、あのキャサリンの表情は、リアクションは、
どうしてこんな感じだったのか
明らかではっきりと理解できるようになっていてるのです!
他にもはっきりと色んなことを理解できる工夫が随所にあって、
アクションシーンは一切ないのにとても「熱い」
あと、あえてセリフはなくて映像で魅せるシーン
特に感動したのは裁判に勝ち、裁判所から帰るキャサリン
裁判の行く末を気にかけてやってきた群衆、女性たち
キャサリンと女性たちの表情、控えめなアイコンタクトにはぐっときたー
ここ最近紹介してもらった作品はいずれも胸を熱くしてくれる作品ばかり。
昨晩、観ていたのですが、色んなことをもっと知りたくて
今日も帰ってきてから何度も同じシーンを繰り返しみたり、
セリフを書き留めてみたり、
初見と自分自身の感じ方がどう変わったかとかー
ずーーっと観ています。
紹介してくれてありがとう。。。