【本紹介】なぜ悪人が上に立つのか(ブライアン・クラース)
ブライアン・クラースの『なぜ悪人が上に立つのか』は、権力と腐敗の関係について深く掘り下げた本です。この本では、なぜ一部の人々が権力を握ると堕落しやすいのか、そしてその背後にある心理学的、進化論的、人類学的な要因を探ります。
主な内容
1. 権力の進化史:権力がどのように進化してきたかを解説します。
2. 権力に引き寄せられる人たち:どのような人々が権力を求めるのか、その特徴を分析します。
3. サイコパスと権力:なぜサイコパスが権力を握りやすいのか、その理由を探ります。
4. 制度と人:腐敗の原因が制度にあるのか、それとも個人にあるのかを考察します。
5. 腐敗を防ぐ方法:権力が腐敗しないようにするための具体的な対策を提案します。
主なポイント
1. 権力が人を変えるメカニズム:
・権力を持つことで、人は自己中心的になり、他人への共感が薄れる傾向があります。
・権力が倫理的な判断を鈍らせることが多いです。
2. 悪人が権力を求める理由:
・自己利益や支配欲が強い人々が権力を求める傾向があります。
・サイコパス的な性格を持つ人々がリーダーの座に就きやすいことが指摘されています。
3. 社会的先入観とステレオタイプ:
・「背が高く、自信に満ちた人物」がリーダーに選ばれやすいという社会的先入観が存在します。
・これにより、本当に優れたリーダーが見逃されることがあります。
4. 腐敗を防ぐための方策:
・権力者に対する厳しい監視と責任感を持たせる仕組みが必要です。
・透明性や公正な評価が健全なリーダーシップを育むために重要です。
クラースは、権力が人をどのように変えるのか、そしてなぜ私たちはしばしば不適切なリーダーを選んでしまうのかを明らかにしています。
興味があれば、ぜひ読んでみてください。
著者
ブライアン・クラース(Brian Klaas)は、ミネソタ州で生まれ育ち、オックスフォード大学で博士号を取得した国際政治学者です。現在はユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの准教授を務めており、『アトランティック』誌の寄稿者であり、『ワシントン・ポスト』紙の元ウィークリー・コラムニストでもあります。また、受賞歴のあるポッドキャスト「Power Corrupts」のホストも務めています。
書籍情報
・原題: Corruptible: Who Gets Power and How It Changes Us
・出版年月: 2024年10月
・出版社: 東洋経済新報社
・翻訳者: 柴田裕之
・ページ数: 416ページ
・定価: 2,420円(税込)
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