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家族が双極性障害である

私には、2つ歳が上の姉がいます。
姉は私に無いものを、いっぱい持っている人でした。人前で堂々と話せるのも、絵を描くのが上手なことも、贈り物をするセンスがあることも。加えて、顔もかわいいし、スタイルもいい。どれもが私の憧れでした。


一度目の鬱

そんな姉は大学を卒業して、小学校の教師になりました。成績開示をしたら、県内でベスト3だったそうです。昔から私に勉強を教えるのも上手でしたし、姉にはぴったりな職業だと思いました。

しかし、働きはじめて1年も立たないうちに、うつ病になり休職しました。聞いた話によると、教育係の先生からパワハラを受けたことが原因だそうです。
部屋に引きこもり、突然泣き出し、ご飯も食べず、普段は気にならないような音や光にも敏感になって苦しそうでした。

母も小学校教師をしていたのですが、仕事を終えてから電車やバスを乗り継いで一時間半以上かかる姉の家にご飯を作りに来ていました。本当に毎日です。そして始発に乗り、一度家に帰ってから、また朝早くから仕事に行っていました。それくらいしないと、あの頃の姉は生きられなかったのでしょう。

2度目は躁鬱


母の懸命なサポートや、何より本人の頑張りもあり、1年半の休職期間を経て、復職することになりました。それからは毎日私に、「子どもがこんなことして面白かった」とその日学校で起きたことを満たされた顔で話してくれました。

しかし、だんだんと休むことが増え、今度は半年も立たないうちに再び休職することが決まりました。今回は『双極性障害』と診断されたそうです。


その病名がついたとき、家族の中で驚かなかったのは私だけ……ではなかったと思います。病気について調べれば調べるほど、「昔からこういうとこあったよね」「もうぴったり当てはまる症状だよね」と、父も母も私も意見が一致していました。

なので正直、今さら病名が付こうが私たちの知っている姉は変わらないと思っていたのです。