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アート市場における最適な購買行動モデルとは

現状のアート市場

現在のアート市場では、SNSやオンラインプラットフォームを中心に作品が広がりやすい環境が整っています。
視覚的な訴求力が強い作品や、話題性のある作家が注目を集めやすく、特に "映える" 作品や"売れっ子"という評判が市場を牽引する傾向があります。
しかし、これにより市場の競争軸が視覚的なインパクトや一時的な話題性に偏りがちになり、長期的な価値や深い意義を持つ作品が埋もれてしまうケースも少なくありません。

課題:VISASモデルが生む偏り

現在のアート市場における購買行動は、主にVISASモデル(本来のモデルと異なります)に近いと思っています。このモデルは以下の流れで構成されています:

  1. ビジュアル(Visualize):SNSや広告を通じて視覚的な魅力をアピール。(本来クチコミ(viral)ですが、visualizeとしています)

  2. 影響(Influence):視覚的な魅力によってユーザーの関心が深まる。

  3. 共感(Sympathy) :発信者や商品の情報に共感する。

  4. 行動(Action):実際に作品を購入する、ギャラリーを訪問する。

  5. 共有(Share) :SNSなどで購入体験や作品を発信。

VISASモデルの特徴は、短期的な売上や注目度を上げるために効果的ですが、以下の課題も存在します:

  • 視覚的要素への依存:見た目の印象や話題性が購買行動を大きく左右し、作品の奥行きや社会的意義が十分に評価されない場合が多い。

  • 長期的なキャリア形成との断絶:短期的な売買を重視する市場構造が作家のキャリアに逆効果を及ぼすことも。

  • 購買行動の浅さ:鑑賞者が深く考える機会を得る前に、購買行動が完結し、購入後に繋がらない。(購入後の関係については、また別途書く予定です)

また、VISASモデルに依存する市場では、誇張した表現や曲解による印象操作が増加し、作品や作家に対する誤解が生じやすくなるという弊害が目立つようになってきています。

ソリューション:DECAXモデルがもたらす新しい体験

Funwow.artは、アート市場にDECAXモデルを導入することで、上記の課題を解決することを目指しています。DECAXモデルは以下の流れで構成されています:

  1. 発見(Discovery):新しい作家や作品、ギャラリーについて知るきっかけを提供。

  2. 共感(Engagement):作家と関わり、作品により深く触れることで、深い関係性を構築。

  3. 比較(Comparison) :他の作品や作家との比較を通じて、ユーザーが自分自身の価値観を明確にする。(本来Checkですが、comparisonとしています)

  4. 行動(Action):実際に作品を購入する、ギャラリーを訪問する。

  5. 拡散(eXpanse):作品や作家との出会いを他者と共有し、アートの価値を広げる。(尚、アートの購入体験はパーソナルな側面もあり、拡散は難しい場合も多くあります)

DECAXモデルの実践例(会員による購入事例)

Funwow.artの会員の方の実際の購入体験は、DECAXモデルの効果を具体的に示しています。この方は複数のギャラリーツアーに参加し、展示を重ねて観覧する中で、作家との対話も深めていきました。
さまざまな作品と作家に触れ、比較検討を重ねた結果、ある作家の作品を人生で初めて購入するに至りました。

この事例は、以下のようにDECAXモデルの各段階を体現しています:

  • Discovery:ギャラリーツアーを通じて新しい作家や作品との出会いを得る。

  • Engagement:展示観覧や作家との対話を通じて理解を深める。

  • Comparison:複数の作品や作家に触れることで自身の価値観を明確にする。

  • Action:十分な検討を経て、納得のいく購入判断を行う。

このような丁寧なプロセスを経た購入は、作品や作家との深い関係性を築く基盤となります。

Funwow.artが描く未来

Funwow.artは、DECAXモデルを通じて、アート市場に根付く本質的な価値をより多くの人々に伝えていきます。
作品の背後にある深い意味や、作家の思考プロセス、そしてアートがもたらす新しい視点——これらの価値は常に存在していましたが、現代の市場構造の中で見えづらくなっています。
Funwow.artは、この「じっくりと向き合い、深く理解する」というアート本来の在り方を、より身近に、より親しみやすいものとして提供していきます。
視覚的な魅力を超えて、作品との真摯な対話を促し、深い体験を生み出すプラットフォームを目指していきます。


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