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ギャラリーツアーで発見する作品購入の第一歩(清澄白河ギャラリーツアーレポート)
Funwow.artは、ギャラリー訪問や購入がポイントとなるデジタルな繋がりと、ギャラリーツアーなどのフィジカルな繋がりの双方を通じて、楽しみながら鑑賞から作品購入までを後押しする現代アートのコミュニティサービスです。
現代アートへの興味はあるけれど、どこから始めればいいか分からない方にも気軽に参加していただける、ギャラリーツアーを実施しています。
家に作品を飾るということ
9月14日に参加したKANA KAWANISHI GALLERYでの伊佐治雄悟 「純粋在宅ストリートアート」、HARMAS GALLERYでの原游 「Walk in my closet.」のギャラリーツアーから、作品を買うことについて考えてみました。
今回ツアーで巡った2つの展示に共通しているのは、日常の中にある異質なものを楽しむことだったように思います。同時に、彫刻を、絵画を、家に飾ることについても考えさせてくれる機会でした。
日常の先にある彫刻
伊佐治さんの展示では、どんな家の中にでもあるような椅子やナイトテーブル、踏み台の上に作品が置かれていました。
ギャラリーや美術館では、大抵、彫刻作品は白い展示台の上に置かれているでしょう。
しかし、伊佐治さんは、どこにあっても「ヘン」に(違和感があるように)見えるような作品を制作していると自負しているそうです。 ギャラリーに置けば何でも作品に見える効果に頼らない為に、あえて白く四角い展示台を使っていないのだと言います。
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作品は、空ボトルやボールペン、カッターの刃など日用品が素材となっていました。皆、それぞれの素材や扱い方も想像できます。しかし、作品はその形に少し手が加えられているだけで、まったく新しい姿に生まれ変わっていました。
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伊佐治さんは、アイディアが生まれるためには、「日用品のそれぞれの役割に囚われず、「モノ」としてまっさらな気持ちでみる、なにができるか考える」と言います。
家具の上に置かれてた作品を眺めていると、実際に家に置かれた時のことをつい妄想してしまいます。家の中のどんな場所においても馴染みそうでありながら、圧倒的存在感がありそうです。
自由な平面?作品
原游さんは、絵を描くキャンバス生地を使った油彩でありながら、キャンバス布を四角い木枠に張ることに囚われない作品を展開しており、絵画とは、という問いを投げかけているような展示でした。
名画や映画、作家の思い出の服が主題となっており、クローゼットというタイトルの通り、絵はハンガーに掛けられ、吊るされていました。
「絵を動かしたり、組み合わせたり」することが意図されていました。
鑑賞者は、ハンガーラックから「絵画」を取り出して作品を見ることになるので、生活の中で服を手に取るように、絵画に触れられるのです。
実際に自分の家のクローゼットに服と一緒に掛けたり、クローゼットの中に飾ったり、参加者みんなで作品の飾り方についての話で盛り上がりました。
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木枠より大きめにキャンバス生地を切り、耳や帽子などを作る「耳付き絵画」も展示してありました。
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絵画作品はその大きさ(号数)によって価格がつけられるが、この展示ではS, M, Lという服のサイズでの価格区分となっているところも遊び心がありました。
コレクションをするということ
作品を買うとなると、予算・素材・大きさはもちろん、どこに飾るかについて考えるでしょう。日常の中にありそうでアート作品であるというのは個人コレクションのテーマとして、とてもおもしろい視点かもしれません。
ギャラリーツアーの前後で、参加できる人と懇親会や近くの美術館に行ったりもしますが、今回はツアーの前に近くの東京都現代美術館で開催中の『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』に立ち寄りました。
90年代半ばより本格的にアートコレクションを始めた高橋氏のコレクションは現在まで3500点を超えているそうです。
膨大なコレクションである故に、その中からここ30年の日本の美術史の変遷を見られるが、展覧会タイトルにもあるように高橋氏の「私観」であり、マーケットの流行、コレクターとしての好みが反映されているのも確かに伺えました。
それは美術館コレクションとは決定的に違って、作品と出会って、好き・おもしろい・かっこいいなどと思う個人的な想いで作品を買う楽しさを体現していました。
ギャラリー:KANA KAWANISHI GALLERY
〒135-0021 東京都江東区白河4-7-6 白河和楽ビル 1F
伊佐治雄悟 「純粋在宅ストリートアート」
会期:2024年8月24日‐ 9月14日
https://www.kanakawanishi.com/exhibition-049-isaji-yugo
ギャラリー:HARMAS GALLERY
〒135-0024 東京都江東区清澄2-4-7
原游 「Walk in my closet.」
会期:2024年8月31日‐10月5日
http://harmas.fabre-design.com/current/2240/
Text by 0bo5
今回のギャラリーツアーで訪問した両展示の一部作品を、Funwow.artにて取り扱い中です。
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