四万六千日
「四万六千日、お暑い盛りでございます」
落語「船徳」に出てくる、桂文楽(八代目)の名文句です。
四万六千日は縁日のこと。約126年なので、一生分の功徳が得られるという特別な功徳日で、浅草の観音様(浅草寺)で、7月9日と10日に開催されます。この日はちょうど鬼灯市(ほおずきいち)も催されており、大変にぎわう縁日です。この暑さのなか、功徳を得ようという人で大変なにぎわい。最近は外国人も多いです。
落語では、ほこりをかぶって観音様まで歩くのを嫌がる相棒を、船宿になじみの客が、ならば船で行こうと誘います。柳橋(神田川)から大川(隅田川)に出て、大桟橋(今の駒形橋の少し先?)まで行っちゃおう、という寸法です。運悪く船頭が出払っており、居候の若旦那、徳兵衛が、ろくに櫓も漕げないにわか船頭で、お客を散々な目にあわせるという話です。
我が社の最寄りは、JR御茶ノ水駅。眼下を流れる神田川を東に3kmも進めば柳橋。このあと、隅田川に注いで神田川は終わります。柳橋周辺には、土手伝いに船宿が5-6店営業していますが、落語のような櫓を漕ぐ猪牙(ちょき)船ではなく、屋形船主体となっています。
歩いても30分くらいでしょうか。でもこの節、とても歩く気はしません。船というわけにもいかず、筆者の場合は地下鉄を乗り継いで行きました。
参道は、むせかえるような暑さのなか、にぎわっておりました。外国の方もちらほら。
お目当ては、四万六千日の特別祈祷で、社内安全、その他の祈祷札をいただきます。
お経を唱え、太鼓がどんどんどんどん、200bpm位のテンポで唱導します。ちょっと音楽的でよかったです。
御札をもらって外に出ると境内は鬼灯市のテントでいっぱい。
このとき、一瞬の夕立が。風が吹き、風鈴が一斉に鳴り始めます。
風鈴やさして来りしあかるき日 万太郎