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ジャズ、武満徹、その他音楽全般、小劇場、アングラ、写真、アート全般、散歩。

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最近の記事

ふくすけ2024 歌舞伎町黙示録

ふくすけ2024 歌舞伎町黙示録 at Theater MILANO-Za 舞台「ふくすけ」は1998年の再演でみているので、26年ぶり。98年は世田谷パブリックホールとハコの大きさはさほど変わりないと感じたけど、歌舞伎町タワーというビルの6階にあることは、もともと歌舞伎町が舞台の作品なので、歌舞伎町を睥睨しているようでもあり、ランドスケープとしての歌舞伎町を強く感じてしまう。 松尾スズキの作品は大人計画名義のものが多いが、初演は「悪人会議Vol.1 ふくすけ」、自分のみた

    • 四万六千日

      「四万六千日、お暑い盛りでございます」 落語「船徳」に出てくる、桂文楽(八代目)の名文句です。 四万六千日は縁日のこと。約126年なので、一生分の功徳が得られるという特別な功徳日で、浅草の観音様(浅草寺)で、7月9日と10日に開催されます。この日はちょうど鬼灯市(ほおずきいち)も催されており、大変にぎわう縁日です。この暑さのなか、功徳を得ようという人で大変なにぎわい。最近は外国人も多いです。 落語では、ほこりをかぶって観音様まで歩くのを嫌がる相棒を、船宿になじみの客が、な

      • 「YOLO 百元之恋」

        「YOLO 百元之恋」新宿バルト9 「こんにちは、私のお母さん」のジア·リンがまたまたやってくれた。前作は実話ベース。自分の母へのオマージュであることがエンドロールで明かされたが、今回もエンドロールでこれでもかのカタルシスが炸裂。 安藤サクラ主演の「百円の恋」(武 正晴監督 足立紳脚本)にジア·リンが惚れ込んでリメイクした映画が「YOLO 百元之恋」。ジア·リンの監督、脚本、主演は、「こんにちは、私のお母さん」と同じ。 ジア·リンの役者魂がすごい。普段の体重より20kg

        • 映画「悪は存在しない」

          「悪は存在しない」Evil does not exist. 5月4日 川越スバル座にてみた。 題名からして意味深で、なんか構えてしまう。 冒頭の森の木々を見上げて進んでいくシーンが長回しで展開される。極めて印象的な音楽とともにしばらく続くので、音楽が主体の映像であることがわかる。音楽が先にあって、そのライブパフォーマンスに映像をかぶせる制作(GIFT)があって、その後に映画にもしようということになった、と後で知った。 石橋英子の音楽は、静謐で仄暗く、ただならぬ感じがす

        ふくすけ2024 歌舞伎町黙示録

          久しぶりの寄席

          林家つる子(36)、三遊亭わん丈(じょう)(41)の昇進披露興行。 20240416 浅草演芸ホール わん丈は16人抜き、つる子は11人抜きの抜擢真打ち昇進。立ち見が出るほど。披露口上はやっぱりいいなぁ。 口上を述べたさん喬の真打ち披露を81年に見に行ったことを思い出した。 雲助との披露口上で、柳家小さん(先代)が「粗忽長屋」をやってくれて欣喜雀躍しましたよ。あの頃は志ん朝にぞっこん。おっかけみたいに寄席に通っていた。今で言う「推し」でしょうか。 よく行った池袋演芸場は

          久しぶりの寄席

          「酔いどれクライマー 永田東一郎物語」藤原章生著

          読了後、心をかきむしられ、しばらく動けなくなった。 生まれが自分と同年(1959年)であり、同じく登攀にのめり込んだことがあるので、主人公の挙動と生き様が他人事ではないのだ。等身大の自分史を反芻しているかのように、当時の心象が蘇る。葬り去ることのできない、あのときの自分。あの時代。後ろめたくて、思い出したくもない、どうしようもない、それでも少し懐かしい。そんな自分がこの本の中にいる。 2004年に46歳で世を去った永田東一郎は、1970年代末から80年代初頭を登山(登攀)

          「酔いどれクライマー 永田東一郎物語」藤原章生著

          平山さんに会いたい!

          映画「Perfect Days」 (ネタバレみたいですが、まったく気にならないと思う) 平山さんは役所広司演じる主人公の名前。渋谷区の公衆トイレ(The Tokyo Toilet)の清掃員だ。彼の日常を一日一日、淡々とカメラは追っていく。映画のタイトルは、「Perfect Days」 Perfect Daysは、平山さんが移動する車の中で聞くルー・リードの曲。他にも70年代の曲がカセットテープで流れてくる。ニーナ・シモンの“FEELING GOOD”、ストーンズの“(WAL

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