独りより二人、あるいは仲間がいるほうが心強いのは、鳥さんも同じことーーー鳥さんをお迎えするときに考えてほしいこと
我が家には、今、26羽のインコ・オウムがいます。
すべて同じ種族ではなくて、シロハラインコとセネガルパロットという種族は、1羽しかいません。
あとの24羽の内訳は以下の通りです。
オカメインコ 18羽
コミドリコンゴウインコ 2羽
ズアカハネナガインコ 2羽
アオハシインコ 2羽
アオハシインコについてはこれまで触れたことがないのですが、なかなか面白い鳥さんなので、いずれ紹介させていただこうと思っています。ニュージーランドが故郷で、オカメインコより小さい。我が家では最小のインコです。
さて。私たちが愛しているからと言って、この26羽がみんな仲良しなのかと申せば、そんなことはなかったりします。
種族が違うこと以前に、鳥たちにも相性があります。種族を越えて仲良くなることも、我が家ではあります。先に1羽だけのシロハラインコの紹介をしましたが、彼は、とても面倒見がよい中型インコの男の子です。自分より後から来た中型インコの後輩たちの面倒を、良く観てくれるので、とても慕われるんですね。
逆に同じ種族であっても、あるいは兄弟であっても、犬猿の仲ということもあります。我が家の最大種族・オカメインコは、数も多いこともあって(かつては50羽いましたから)、それこそいろんな関係性があります。基本が穏やかな種族なので、殺しあうほどいがみ合うことは稀ですが、それでも顔を合わせるとかご越しに、お互いを威嚇しあうことはあります。明確な理由は、私たちにもわかりません。やはり、相性なんでしょうね。
子どものころは仲が良かったのに、成長するにつれて距離ができるということもあります。ことに男の子で、恋をする年頃になって、好きな子ができると、ケンカになりがちです。何故か、同じ相手を好きになるんですよねぇ。不思議です。
それでも。嫌いな相手ではあっても、何かあればそばにいることを拒まないこともあります。地震で大きく揺れたり、風が強くて部屋が揺れて怖かったり。或いは、突然の停電で、部屋にわずかな明かりしかなくて、怖かったりしたとき。これらは、すべて我が家での経験ですけれど、ケンカもせずおとなしく並んでいたりします。或いは、一緒に泣き叫んでみたりね。
以前から折に触れてお話していますが、我が家の鳥たちは、地震などの怖いことがあった場合、緩やかな群れの意識が出るようで、一部の子を除けば、案外大ごとにはなりません。もちろん、人がいて声がけがあることが前提なのかもしれませんが、大惨事になったことはまだありません。
以前ご紹介した、鳥好きライターの細川博昭さんの『インコのひみつ』によれば、鳥は自然界では多くが食べられる側にいることから、緩い群れを作って、敵から身を守ったり食料を探したりするのだそうです。ことに、野生にもいるスズメなどの小鳥たちは、群れでいることの利点を良く知っているので、緩いつながりの大集団を形成するのだそうです。
”緩い”と申しますのは、これといってリーダーもいないし、異種の鳥さんが混じっても排除しないで、何となく一緒にいるという意味です。誰かが警告を発したら(敵を見つけたとき)、一斉に逃げる、とか、誰かが食料を見つけたら教える、とか。私は観たことがないのですが、スズメの群れにセキセイインコや文鳥などが混ざっていることもあるそうで、それができるのも、鳥さんの群れの緩さ故のようです。
集団の中にいれば、生き残る可能性が高くなる。それが彼らの本能に刻まれた知恵らしいです。
我が家で異変が起きたとき、平常に戻るまでは一致団結しているような姿を見せるのも、そうした本能のなせる業のようですね。
こうした本能を持つ鳥さんですから、1羽で人の家にお迎えされて家族になる、というのは、ちょっと問題もあるようです。
往々にして1羽で鳥さんをお迎えする場合は、まず鳥さんをお迎えする目的が「よく慣れた手乗りの鳥が欲しい」というところにあります。昔のものの本でも「仲間がいると、落ち着いて人に慣れない。1羽で育てるのが良い」なんて書かれています。
かく申す私にしても、やはり、よく慣れた子は1羽で育てた場合というのは否定できません。
けれども、これは全くの人のエゴ以外の何者でもありません。今の我が家の状況を観ながら、つくづくかつての自分を猛省することがあるんですが、1羽で育てられて、自分以外鳥がいない環境の中で暮らすのは、どれほど心細かったことでしょうか。
私のかつての相棒のオカメインコのルンは、私が一人暮らしをしていた時、何年もの間一人ぼっちでした。私がいるときはいいけれど、仕事でいなかったり、銭湯や買い物などで家を空けて、一人で留守番をさせられて、どんなに寂しく怖かっただろうか、と、思います。
防犯対策もあって、ラジオを24時間つけっぱなしにしていたものですが、それでも、彼の不安は小さくなかったことでしょう。
彼は、留守番の間、決して食事をしませんでした。後でお隣の方などからも聴きましたが、私がいない間は、一言も声を立てなかったとかで、息をひそめて過ごして、私の帰りをずっと待っていたのでしょう。
なので、この頃の彼は、どんなに濃厚なご飯を上げても、太るということがなかったんです。かかりつけのドクターから「ルンちゃん、もう少し体重が増えるといいんだけれどなぁ」と、よく言われたものでした。
この彼がめきめき太りだしたのは、相方と同居することになり、彼女の愛鳥と暮らすことになったからでした。粗食にしてあったのに、まぁ、バリバリ食べるようになって、あっという間に恰幅が良くなりました。同時に病気がちだった体質は、長年の孤独が解消されたことが幸いしたらしく、見事に健康体になったのでした。
いろいろな事情があるとは思います。でも、出来れば、鳥さんと暮らすと決めたとき、お気に入りの子を2羽見つけてほしいのです。オカメインコはヒナから大人になる時のご飯の切り替えが難しいことで有名ですが、2羽いれば競争にもなり、比較的楽に切り替えができます。我が家の場合は、先輩が増えて、世話をしてくれる子も出ていたので、あまり苦労せずに済みました。
孤独は、どんな命であっても、やはり、その心身の健康をむしばむようです。愛鳥さんが元気で長生きするためにも、その子のQOLも考えていただいて、幸せな共生をしていただきたいなぁ、と、鳥好きの一人として、願う私ですm(__)m💕💛
さて、どえらい寒波が来るようです。皆様、くれぐれもご自愛くださいませm(__)m💕💛
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