拝啓、ハナクソはバナナの味がすると思っていた3歳の私へ
お元気ですか。
22歳の私です。
あれから20年、
いろんな景色を見て、いろんな場所へ行って、
楽しい、嬉しい、悲しい、悔しい、
いろんな経験をしたよ。
大切な人に出会ったり、大切な人を失ったり。
大きくなるにつれ
できるようになったこともいっぱい、
できなくなったこともいっぱい。
歳を重ねて
わかるようになったこともたくさんあるけど、
わからなくなったこともたくさんあるよ。
あの頃できなかった逆上がり
今の私はできるけど、
あの頃できていた、好きなことを「好き」って大声で言うこと
今の私はできるのかな。
ウソをつくのがいけない理由は分かったけど、
いつも正直でいるとバカにされるなんて知らなかった。
知れてよかったことがいっぱいあるのと同時に、
知らなかったほうがよかったこともいっぱいある。
地位、権力、お金、他人からの期待、社交辞令。
きっと3歳の私にはよく分からないことで世界はあふれてるけど、
どうにか毎日生きてるよ。
お母さんの待つおうちへ帰る幼稚園バスの中、
じっとハナクソを見つめながら
バナナの味がすると信じてたきみには、
世界がどんなふうに見えていますか?