Dirt
グランジ四天王の中で最もメタルに近い彼らの2ndアルバムは、90年代メタルに通底する見世物小屋文化の南部らしさを想わせる。
見世物小屋文化とは、90年代Toolやマンソンに見られる悪趣味文化だ。ナチスを演じたり拷問器具を嬉々として付けたりと、卑しいものをニタニタ笑いながら提示するあの文化だ。
Dirtのジャケットは土地と重ね合わされた女性の姿だ。ここに古代地図制作からダリの哲学に至る地誌学のアーキタイプを見る。乾いた不毛の地に生まれた南部人を装う文化だ。南部をキータームとしてWWEを見てみよう。怪奇派は南部イメージを形造っていたではないか。アンダーテイカーがテキサス・レッドとのことを思い出し、笑える。
Alice In ChainsやPrimusの怪奇派方法論とは南部人を装うことだ。此処にはアメリカ文化を流れるミンストレルショー文化がある。構造的弱者を演じることが興行の基礎な文化だ。
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