水李と弥生さんの過去が、次々と明かされる。水李も、弥生さんも、それぞれ悩んで葛藤して選択した。水李は自分の意思で、弥生さんは自分の意思は置いてけぼりで、周囲の判断で。そんな対比が、心に刺さった。
海から帰ってきた夏くんは、弥生さんのアパートで一緒にごはんを食べます。夏くんの、出来るだけ一緒にいることにしたという選択。海ちゃんの希望と、現実を考えての判断。でも、弥生さんは自分の過去に海ちゃんを重ね合わせているからか、凄く焦っていて。夏くんはその過去を知らないから、なんで弥生さんがそこまでこだわるのか不思議に感じています。夏くんの「決めさせようとしないで」って言葉、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で結婚の話をトントン進めようとする朝陽くんに有村架純ちゃんが演じる音ちゃんが言った「説得しないで」という台詞に似ていて、なんだか心に刺さりました。夏くんは、決断することが苦手だと思うけれど、だからこそ色々考えて、悩んで、誠実に答えを出そうとしようとする人だと感じます。
カフェで弥生さんと元恋人が話すシーン。弥生さん、最初は嬉しそうな顔をしているんですよね。それがまた…辛い。こんなの相談じゃないじゃん。弥生さんの意思、全く聞かずに中絶する前提で話を進める元恋人、ひどすぎません?(怒)普通ふつう、ってなんなんだ。普通のレールに乗っかろうとするんじゃなくて、弥生さんがどの道を歩みたいのか聞いてよ。ノンカフェインコーヒーを頼んで、産みたいと思っていた弥生さん。なのに、彼からの言葉で、産めないと思って、普通のブレンドコーヒーを頼む。ブレンドのこと、普通のって繰り返すのも、普通という彼の言葉が突き刺さったからかな。それでもブレンドコーヒーが飲めなくて、店をあとにする弥生さん。しんどすぎる。
お母さんに電話をかけた弥生さん。彼に中絶前提で話をされて、藁にもすがる思いで電話をしたお母さんに、じゃあおろしな、私無理だからと遮断されて、こんな辛いことあります…?そっかそっか了解と、反論する術もなく受け入れる弥生さん、いたたまれないよ。
相手に似るなら産みたいっていう水李の本音。本音を吐露することが出来たのは、優しいお父さんがいてくれたからですよね。相手に似てほしいって思えるなんて、ってお父さんの言葉通り、それはもうおなかにいる子と夏くんへの愛情ですよね。水李のお父さん、朱音さんと水李が喧嘩した時は、朱音さんに寄り添っていて、で、その後は水李のことを気にかけていて。妻と子どもの両方を大切にしている素敵な方です。
母子手帳をもらって、実家に顔を出しに来た水李。嬉しそうなお父さん。正直に孫楽しみ!って言う姿、何とも和みますよね。弥生さんにもこういう存在がいてくれたら、違っていたかもしれないのに…決断するのって結局自分だけど、その決断って、周囲によって大きく変わってくるということを思い知らされますよね。水李と弥生さんの対比で、それをひしひしと感じさせられて、弥生さんの抱えている辛さが浮き彫りになっています。
喧嘩した時に、朱音に向かって娘がこんなんでかわいそうと言った水李。その言葉への朱音の気持ち。かわいそうとか、幸せとかって、人が決めるものじゃない。自分で決めるものですよね。水李にわがまま言われて、幸せと言える朱音。素敵なお母さんですよね。水李も素敵なお母さんとお父さんがいてくれたからこそ、のびのび自由奔放に育ったんじゃないかなと思わされます。
南雲家の微笑ましい様子をみてからの、この弥生さんの描写…生方さん相変わらず容赦ない…(めっちゃ褒めています)。終わった?ってLINEで聞いてくる元恋人、それだけで済まさずしっかり心配してよフォローしてよって思うし、それなのにびっくりマークまでつけて相手を心配させないように気遣う弥生さん、どれだけいい子なのですか…。そして、中絶して帰ってきても、日常は続く訳で、お風呂を掃除する。この日常を丁寧に描く辺りも生方さん。シャワーをお腹にかけていたのは、今まできっとそうやってお腹の子のことを気にかけて行動してきたからで。辛すぎる弥生さん…誰か助けてあげてください…。
カフェに夏くんを呼び出した弥生さん。ここで、ブレンドコーヒーを出してくるあたり、元恋人とのシーンを想起させてきて本当生方さん…!殺したことある、って前に夏くんが使った言葉を使うのがまた残酷で。弥生さん、勇気を振り絞って伝えたんだよね。そして、弥生さんが人の前でようやく泣きましたね。ずっと抱えていた思い、夏くんに吐き出せて良かった。辛かったと思うけれど、それでも共有できて良かったです。
公園で遊ぶ海ちゃんを見守る夏くんと弥生さん。共有したいって思うタイプ…「だった」と言う過去形が辛いですよね。本当はそうだったのに、そう出来なくなっちゃったっていう。ずっと孤独だったんですよね。夏くんの悪口を散々言っているけれど、そして視聴者的にはそうだよね夏くんのそういうところだよねってめっちゃ共感できるけれど笑、自分の気持ちを置いていかない、一緒にいてくれる、一緒のところで迷ってくれる、そこが弥生さんにとっての夏くんの安心感だったんですね。弥生さんに、夏くんがいてくれて良かった。弥生さんが、さみしくなくなって良かった。
「くまとやまねこ」の絵本を海ちゃんに読んであげた水李。幸せって自分で決めることだから、って、朱音から学んだことですよね。そうやって継承されていく価値観。じーんときました。
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夏くんが夏休みに海ちゃんと一緒に暮らすことになったり、夏くんの両親・弟に海ちゃんのことを打ち明けることになったり(スピンオフの兄とのはじまりを観ると、弟の大和くんは水李と仲が良かったみたいなのでそこもどうなのかなとか)、とまた気になりすぎる第五話です。物語がもう折り返し地点になってきて、終わりが近くなってきたと思うともう名残惜しいですね。あと、毎度思うんですけど、物語にそっと寄り添ってくれる徳田さんの音楽がとても好きです。