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「海のはじまり」シナリオブック感想(第一話・第二話)

母に、「海のはじまり」のシナリオブックをプレゼントしてもらいました!!!
鳩サブレーの缶とともに🐦(嬉しい〜)

台詞や描写をじっくり噛み締めたり、本編にはないシーンが新鮮だったり。

シナリオブックで、またこのドラマを違う角度から楽しむことができて嬉しいです。


水李「え、すごいよ。人に合わせられるの、すごいことですよ?」
夏「(何度も首を横に振り)いや、意思がないっていうか、自分がないっていうか…」
水李「自分より他人のこと考えちゃうってだけでしょ。良いことですよ」
夏「…でも、はっきりしろとか、よく言われるし」
水李「(笑って)それは、たしかに。曖昧な返事ばっか」
夏「癖みたいになってて」
水李「まぁ、『はい』か『いいえ』で答えられることなんてね、そんなにないですよ」

「海のはじまり」第一話


ハチクロ(大好きです、漫画も映画も)的に言うと、これ多分、夏くんが水李に恋に落ちる瞬間を見てしまった、そんな感じ。

コンプレックスを褒めてもらえるのって、とても嬉しいことですよね。人に合わせられるの、他人のこと考えちゃうの、褒めてもらえたの、夏くんが水李に惹かれたきっかけなんじゃないでしょうか。後に、朱音さんが同じとこ褒めてくれるのも、なんだかんだ親子って感じでいいですよね。

そして今気付いたんですが、「はい」か「いいえ」で答えられることなんてね…って、最終回で似たようなこと弥生さんも言ってくれますよね…!この二人も、似ていないようで、似ているところもあって、良いです。

ゆき子、夕飯の支度をしている。
和哉、リビングに入って来て、
和哉「夏、大丈夫?お葬式のこと、なんか言ってきた?」
ゆき子「言わないよ。言わない子だもん」
和哉「そうだよねー」
ゆき子「言葉にするのが苦手な子だから。でもあれなの。何も考えてないんじゃないの」
和哉「考えすぎちゃって、言葉になるのが人より遅いってだけだよね」
ゆき子「そう。大和は逆。考える前に声が出ちゃってる」
和哉「おーわかってるね」
ゆき子、自慢げに笑う。

「海のはじまり」第二話


子どものことをよく分かっている、お父さんとお母さん。
夏くんってドラマの主人公っぽいキャラクターではなくて。
はっきりしないし、言葉数少ないし。

でも、そういう人って沢山いるから、リアルなんですよね。
そんな夏くんのことを、きちんと表現してくれるご両親。そして、大和くんのことも。

夏と水李、大学二年の7月。
後ろのほうの席で並んで講義を受けている二人。
水李、コソコソと鳩サブレーを食べている。
夏「(横目に見て)…」
水李「(視線を感じて)…食べる?」
夏「…食べる」
と、小声でヒソヒソと話す二人。
水李、鞄から鳩サブレーを3枚出して、トランプを引かせるように夏に見せて、
水李「選んで」
夏「違うの?」
水李「選んで」
適当に一枚引く。
水李「おっ、当たり」
夏「他のと違うの?」
水李「ううん。でも当たり」
夏、封を開けながら、
夏「誰かのお土産?」
水李「自分で買った」
夏「自分で買った?」
水李「自分で食べたくて買った。食べたくて食べてる」
夏「(つい笑って)自分で買うお菓子じゃなくない?」
水李「え、買わないの?」
夏「え、じゃあ萩の月とか、東京バナナとか、」
水李「買ったことある!」
夏「ほんとに?」
水李「でもこれが一番よく買う。一番好き」
二人、笑い合う。

「海のはじまり」第二話


最高に好きなシーンです。
こんな素敵な大学二年の夏、ほしかった…!!!
同じ時期、研究室に泊まり込んで、必死だったな…(遠い目)(いや思い返せば楽しかったんだけど)。

鳩サブレーをコソコソと食べる水李も、夏くんに選ばせる水李も、可愛いがすぎる!

自分で食べたくて買った、食べたくて食べてる、っていう台詞と、水李の言い方がとても好きです。


朱音「はいはい。水李からね、海のことで、これだけは絶対って言われたことがあるの」
夏「…」
朱音「海に選ばせてあげて。正解を教えるより、自分の意思で選ぶことを大事にさせて、って」
夏「…(頷く)」
朱音「手を引っ張ったり、横に張り付いたりしないで、後ろから見守ってあげてほしい、って」
夏「(小声で)水李言いそう…」
朱音、チラッと夏を見る。
夏「(目が合って)すみません…」
朱音「(微笑んで)言いそうでしょ?言ったの」

「海のはじまり」第二話


海ちゃんに選ばせてあげて、って言った水李。本当に素敵なお母さんだな。
自分が自由奔放に生きてきたから、それを受け継ぎたいって想いもあったのでしょうか。だとしたら、自分の人生正解だったよって言っているようで、それもまた切ないけど嬉しいですよね。

水李言いそう…って水李のことをしっかり分かっている夏くんも、それを聞いて嬉しそうな朱音さんも、良いです。

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