夏くんと弥生さんと海ちゃんが家族になっていくのかな、朱音さんと津野くんの気持ちはどうなっていくのだろう、と次回予告が気になってならなかった第三話。あっという間でした…。
不安そうな表情をする海ちゃんに、いなくならないと繰り返す水李。この時はもう、自分がもうすぐ側にいられなくなることが分かっていたのでしょうか…切ない。そして、いなくならないといった水李の遺影を出してくるあたりが、現実を容赦なく浴びせてくる生方さんです。
ランドセルを海ちゃんに選ばせる水李。第二話で朱音が言っていた「海に選ばせてあげてって。正解を教えるより自分の意思で選ぶことを大事にさせてあげてって。」ってセリフが響きますね。何でも海ちゃんの選択を大切にしてきたんだろうなって。
職場の先輩と同僚と飲みの席で話す弥生さん。中絶した経験がある弥生さんに「産んでごらん」という言葉は、しんどすぎますって…。悪気がなくても、相手のことを無意識に傷つけてしまうってことって、結構ある。自分の価値観は、正義は、人とは違う。
生方さんは、食べるところ、お料理するところ。そんな日常を丁寧に切り取ってくれますよね。朱音の仲がいいことに理由なんてないでしょ、という台詞、響きます。好きなことや嫌いなことに理由なんてなくていい、という話はよく聞きますけど(そして確かにと思う)、仲の良さにもこれが言えるのかと思いました。同じように仲が悪いことにも理由がなくていいんですよね。境遇や価値観が似ているからこそ、仲がいいことも、そうじゃなくても(逆にそうじゃないからこそ)仲がいいことも、ある。そんなことに気付かせてくれました。42歳で不妊治療してやっと授かった水李を20代で失ってしまった朱音。その悲しさは計り知れないですよね…。水李が幼少期に落書きしたお鍋を大切にとっておいて、今も使っていることからも、朱音の水李への愛情が感じられます。そして、他の選択肢を奪いたくないから夏くんに知らせず一人で海ちゃんを産んだ水李。水李らしくて…やっぱり夏くんへの水李なりの配慮だったんですよね。
自分が母親になれたらって思っている弥生さん。そう思えるのは、夏くんの家族を見ていたっていうのもあったんですね。血の繋がっていない家族のことを、あの2人だったからという夏くん。私も4人家族で、血の繋がりがあるけれど、仲がいいのは血が繋がっているからだけじゃないって思っている。同じ家で暮らして、価値観が似ていて、似ていないところもあって、一緒にいると楽しい。3人とも、家族じゃなく出会っていても、尊敬できる存在だなって思える。そして、夫は血が繋がっていないけれど、大切な大切な存在。大好きな瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」も血の繋がりのない家族だけれど、仲が良くて温かい家族。家族の形は色々だけれど、それぞれに良さがある。逆に血の繋がりがあっても、仲が悪い家族もいるしね。そして、それが一概に悪いという訳でもない。その家族、それぞれ。
弥生さんの嬉しそうな表情。一見明るいシーン。でもすぐに、この「外野」というワードが響いてくるとは…生方さんいつも切ないことする…(めっちゃ褒めている)。
お料理と洗い物の次は洗濯のシーン!生方さんの日常を切り取ってくれるところ、大好(長くなるので以下略)。朱音の抱えていた気持ち、不妊治療あるあるって聞きます。自分のことに精一杯だと、他人のこと思いやれなくなったり、何で私ばっかりこんな目に遭っているんだろうって思うこと、ありますよね。いいんだよって言ってくれる翔平さん、優しいな〜前から思っていたけど穏やかで海ちゃんにいつも笑顔で接していて、お人柄の良さがうかがえますよね。
謝るのが癖になってしまっている人って、いますよね。私もそうだったんですけど。悪気はないんです。でも、友人にごめんが口癖って良くないよって言われたことがあります。謝るって、そう簡単に何度も何度もしていいことじゃないのかもしれない。逆に謝ることで、相手を不快にさせることもある。
津野くんは、水李のことを大切に想っていたんだろうな。だからこそ、失ってしまって、急に今までいなかった父親が出てきて、パニックになっているんでしょうね。嫌な感じになっているというのも、自分で自覚している。津野くんは、津野くんなりに辛い。そして、海ちゃんが望むことならと言い切れるあたり、自分はあくまで陰でいいという優しさを感じます。
母子手帳がミッフィーちゃん(すみません、ただのミッフィーちゃんファンです)!
第二話の最後で夏くんに「聞いて」「聞いて!」と繰り返す海ちゃんを観た時も思ったんですけど、鳩サブレーを夏くんに「選んで」「選んで!」と繰り返した水李とそっくりなんですよね。主張する時はしっかり主張するところ、海ちゃんと水李は似ていますね。
ここで先ほど弥生さんが言った「外野」というワードが出てきます、、、辛い、、、笑いながら言っているけど心はきっと泣いている弥生さん。そして母親になろうと子育て本を手に持っている。辛すぎますって、、、
朱音の本音が炸裂。産みの苦労も育ての苦労も分かっていない他人に、一日だけ一緒にいて楽しかったと言われることがやるせなかったんでしょうね。隣にいるはずだったのは水李なのに、と悔しかったんでしょうね。感情がぐちゃぐちゃになって、どこにぶつけたらいいのか分からなくなってたんでしょうね。でも、ぶつけられた弥生さんは、どうすればいいの…何も悪くないんですよ…。そんな感情をぶつけられても、でも楽しかったと返せる弥生さん。強いです。でも強がりにも見えます。夏くん、慣れないことで精一杯なのは分かるけど、弥生さんのことをフォローしてあげてほしいです…このままじゃしんどすぎるよ…!
ずっと、ずっと、元気にしていた海ちゃんの悲しいっていう気持ちをちゃんと悲しいって気持ちに昇華させてくれたのは、夏くんでした。海ちゃんが、やっと泣けてよかった。今まで周りを心配させないように、頑張ってきたんだよね。でも本当は、辛かったし、泣きたかったんだよね。いつもは、頼りない話し方をする夏くんが珍しく強い語気で話していて、それがまた海ちゃんの心に届いたのかもなんて思いました。私も、10歳の時祖父が亡くなった時、病室でもお通夜でもお葬式でも泣けなくて、でも祖父母の家の和室で夜一人になった時不意に涙が溢れてきたことを思い出しました。境遇は全然違うし、海ちゃんの辛さは想像しか出来ないけれど、泣いていいんだよって言ってくれる父親の存在は海ちゃんにとって、どれだけありがたかったことか、と思います。
そして、優しいフォローをしていた弥生さん。差し出したハンカチを受け取ってもらえなかった弥生さん。後ろで抱き締め合う二人の側で、疎外感を覚えているであろう弥生さん。幸せになってほしいです、、、泣。
鳩サブレーの絵を描く海ちゃん、可愛い尊い、、、元気なくてもいいんだって思えたのは、夏くんのおかげですよね。海ちゃんが、元気がない自分を認めてあげられるようになって、良かったです。
ここ!最高のシーンでした。夏くんの心から笑っている姿が、ようやく観られましたね。海ちゃんも、心から楽しそうだった。海ちゃんは、水李がいなくなって、でも夏くんという存在が現れて、ただ、いてほしいんですよね。父親をやるとかやらないとか分からないけれど、ただ、いてほしい。それが強く伝わってくる場面でした。第一話の冒頭の水李の「いるよ。いるから大丈夫。」に返すような、夏くんの「そこいてね。」、とても良かったです。後、毎度言いたいけれど、徳田さんの静かなピアノの音楽がお話に寄り添っていて、本当に素敵です。
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次回予告、水李の「母親ってそうじゃない女より偉いのかよ」って朱音に投げかけるシーンが気になるし、弥生さんが夏くんに中絶した経験があることを打ち明けるし、弥生さんに「決めさせようとしないでよ」って強い口調で言う夏くんが強い意思を持っているように見えるし、何よりシャワーを浴びながら泣いている弥生さんが苦しすぎて…色々な気持ちが渋滞しそうになりそうな、第四話。