すぐに役立つ!漫画カラー上達のための「無音アニメ鑑賞会」の話
こんにちは。出版社ファンギルドのごろうです。
今回は、漫画のカラーリング上達のため、弊社の制作部が行っている
<<無音でアニメを鑑賞して意見を交換する>>
という取り組みがめちゃめちゃカラーの勉強になったので
ぜひ共有させてください!
勉強会で、学んだ塗りを取り入れた成果がこちら('ω')ノ↓
ちなみに、今回の勉強会テーマは<ホラージャンルのカラー>でしたが、違うジャンルでもすぐに応用できますので、漫画のカラーに興味ある方はぜひ(*'▽')
はじめに…制作部とは?
ファンギルドには制作部という部署があり、漫画の制作に関する業務を担っています。
例えば、作家さんから納品された原稿を様々な電子書店で配信できるよう、各電子書店に合わせたデータ形式に調整するのも制作部のお仕事です。
また、制作部では漫画のカラーリングも行っており、一部のファンギルド作品のカラーは制作部が担当しています!
カラーリング技術向上のため、制作部が定期的に行っているのが「無音アニメ鑑賞会」というもの。
こちら、詳しく説明していきます。
「無音アニメ鑑賞会」はなぜカラーの勉強になるのか
「無音アニメ鑑賞会」を簡単に説明すると、<アニメを無音&倍速で見て、気になる箇所や素敵だなと思った箇所は一時停止して意見を言い合う。>というものです。
アニメのカラーって、世界観を演出するためにたくさんの工夫や技巧が詰まっていますよね。
そんなアニメから、様々なカラーリングの技術を学ぼう!という会です。
ちなみに無音にするのは、集中して絵を見るためです。
そして「無音アニメ鑑賞会」の良さは、実際に明日から実践できる再現性の高さだと思います。
いくつものアニメで具体例として示されているので、実際のイメージがつきやすく、いいと思った表現方法はすぐに取り入れることができるのです。
例えば、
「このアニメでは、このように取り入れていて、次のアニメではこういう風に取り入れているのか…それであれば、今担当している作品では、こういう方法で反映できそう…」
というように、たくさんの違った具体例を見ることができるため、実際のカラーリングに落とすイメージまで、解像度高く吸収することができます!
この取り組み、1人でも勉強になりますが、何人かで実施するのが特におすすめ。自分では気付けなかったポイントに沢山巡り合えること間違いなしです。
実際にどんな意見が出るのか
ここからは具体的に、「無音アニメ鑑賞会」の様子をお届けします!
今回のテーマは<ホラージャンルのカラー>でした。
みんなで見るアニメに選ばれたのは、王道ホラーのあの作品から、呪術を使うあの作品まで全部で4本。
早速、無音で鑑賞開始。
すると早々……!
「あ、停止したいです!このアニメ、彩度がすごく低くないですか!?」
開始すぐから、意見が飛び交います!
「全体的に緑がかっているし、キャラクターの歯の色も真っ白じゃない…!!!」
「というか、純粋な白がない…!!!白がないせいで、どんよりした印象を受けますね!」
すべて、確かに!!!という感じです。
1人で見ていたら、キャラクターの歯の色は絶対気付かなかった…!
また、めちゃめちゃ怖くて血が沢山でるシーンでは…
「パニックシーンでは、今までとガラっと色味を変えてますね。その効果もあって、めちゃめちゃインパクトある!」
「何より、赤がすごく目立つ!!!今まで全体が緑がかっていたのには、そういう理由があるのか…!!!」
等の意見が出ました。
他にも一部ですが、ホラージャンルで出た意見を紹介します。
今まで普通にアニメを見ている時には、気付かなかった箇所ばかりでした(*_*)
そして、冒頭でも一部紹介しましたが、勉強会で学んだ具体例を反映して塗ったカラーがこちらです!
※ホラーが苦手な方はご注意ください。
そして、そして!
実は上記のカラー作品「死人タクシーは最後に行き先を聞く」は、本日よりピッコマにて先行配信開始となりました!
下記より冒頭無料で読めるのでカラーと共にお楽しみいただけますと嬉しいです(*´ω`)
(表紙めっちゃ怖くて、びびりました)
また、今回はホラージャンルでしたが、少女ジャンルや異世界ジャンルなど、他のジャンルでも同じように実施できます!
下記、異世界ジャンル勉強会を経て調整したカラーの一例をご紹介します^^
上記作品は下記から読めますので、こちらもぜひ↓
今回の取り組みはカラーの勉強になったのはもちろんのこと、みんなで意見を言い合うことで、一人では気づけない箇所だったり、自分の意見に対するコメントをもらったりと、刺激もたくさん受けました。
この記事が、なにかみなさまのお役に立てますと嬉しいです。
また、ファンギルドでは随時、カラーリング作家さんの募集もしております。ご興味がある方は、こちらもぜひ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。