Webtoonについて、色々考える~立ち上げ1年でわかった必要なこと<社員インタビュー後編>
こんにちは。
以前、ご紹介したJAMTOON編集部は作家さんと作品をつくる"編集部隊"ですが、Webtoonの作品づくりのために必要な制作体制の構築は新規事業を担当する”事業開発室”が担っています。
▷Webtoonについてはこちらの記事から
ですので「事業開発室」の新米パパさんと、海外のWebtoon市場を誰よりも知る「海外事業部」のカンテさんへインタビューしてきました。
本日はその後半の様子をお伝えします。
▷前編はこちらからご覧ください。
新米パパ:
事業開発室・部長。入社9年目。(※1)
過去に日販にて紙の営業を経験。その後ファンギルドで電子書店への国内営業を担当。2021年4月に事業開発室が発足し、部長となる。
カンテ:
海外事業部。入社3年目。
1年目は電子書店の国内営業を担当。翌年から海外事業部にて、輸出(海外営業)と輸入(海外編集)を担当。韓国語が堪能なため、取締役と共に海外企業とのミーティングへ出席することもしばしば。
※1 現在、新米パパさんは人事異動に伴い「JAMTOON STUDIO TeamB」に所属しています。
―――前半のインタビューでは「ファンギルドには作品づくりのノウハウがある」とお話をされていたかと思います。
具体的にどのようなノウハウをWebtoon制作に活かせると考えていらっしゃいますか?
新米パパ:
大きく分けて2つあります。
一つ目は単純な編集のノウハウ、要は編集者のスキルです。
編集者のスキル、作品づくりにおけるスキルにおいては間違いなくアドバンテージが強いと思っています。
もう一つは、実際に出版業界の中でプレイヤーとして戦っていることによってマーケティング情報を持っていることです。
例えば先行配信のスケジュールやキャンペーン施策などは、主要書店との毎月定例会で情報交換をしたうえでファンギルドで考えて作っています。
そういった売り方のノウハウという部分にも期待をしてくださっているのではないかと感じています。
確かにこの部分は強みだなと感じていますし、実際に他社様と協業の話している時に聞かれることが多いです。
―――海外に対しても活かせるノウハウは同じでしょうか?
カンテ:
海外に目を向けると少し違います。
逆に韓国はWebtoonのプロ、つまりWebtoonしか作らない会社が多いです。ですので制作に関しては、韓国の方がノウハウを持っているといった状況です。
その点を考えるとファンギルドに期待しているのは、制作ノウハウではなくネーム、作画、背景など、編集面でのリソースというケースが多いです。
―――なるほど。新米パパさんが仰っていた「売り方のノウハウ」を海外に対しても活かすことはできますか?
カンテ:
ファンギルドとしては日本のプロモーションができる、日本でのマーケティング情報を持っている、というのは大きなメリットだと思っています。
ですがそのようなファンギルドの強みとも言える部分を海外の方が理解できているかというとそうではありません。実際に協業を進めていく中で理解してもらえるケースは多いのですが、最初の段階では編集面でのリソースのみを期待されているケースが多いです。
―――これからWebtoonを制作していく中で、出版社ファンギルドとして何が必要になってくると思いますか?
カンテ:
原作から配信までのすべてのスキームを社内で完結できるような体制、もしくは少しの協業だけで進められるのが理想のかたちと考えます。
しかし今は制作以外のリソースがありません。つまりはつなぎ目の工程(翻訳・ネームを切れる人)のリソースが今後必要になってきます。
新米パパ:
そうですね。それが根底にはあると思います。
スタジオをファンギルド内部ないし子会社という形で持つのが理想だと思っています。
あと実際に感じるのは、見開きマンガの延長として考えるべきではないということです。
ファンギルドは電子コミックで伸びてきた出版社ですが、Webtoonは完全に漫画と切り離して考えた方がいいと思っています。その点を踏まえたうえで仕組みづくりに取り組むよう意識しています。
―――もうすぐでJAMTOON編集部を立ち上げて1年になります。もちろん課題もあると思いますが、見えてきた光もあると思います。実際に1年やってみていかがですか?
新米パパ:
一緒にwebtoonをやろうとしている外部の人に出会えたことが一番大きいです。
出版業界とは違う業界のプレーヤーの方とお話する機会が多く、同じ業界では中々聞けない話が聞けるのでとても勉強になります。また、今ご一緒している企業様は夢をもってWebtoonというフィールドにチャレンジしているので、そういう方達と一緒に仕事ができるのは大変刺激になります。
カンテ:
夢はありますが、現実的に考えると課題が多いなと思います。
ファンギルドと協業したいと言ってくださる企業が多いことは、韓国や日本の企業の話を聞いても実感しています。そこに夢を感じてこの話進めようと思ってもいきなり高い壁にぶつかるんです。課題が山積みしているんですよ。
―――だから今後は同じ課題をもっている会社同士で組んで、お互いに無いものを補い合いながら夢を叶えよう、ということでしょうか?
カンテ:
そうです。企業様と協業することによって、お互いに持っているノウハウを情報交換という形で吸収し合うことができます。
そしてリソース面については、やはり一緒にWebtoonをつくっていく仲間を増やすことが必要になってきます。
―――それでは最後に今後の展望をお伺いします。Webtoonを作ることでこうなればいいなと思うことはありますか?
カンテ:
まず、出版社としての立ち位置が必要だと思います。
読者さんに「これってファンギルドの作品だよね、JAMTOONの作品だよね」と一つのブランドとして捉えてもらえるくらいの立ち位置があれば、リソース面での課題も解決できると思うからです。
ここからは僕個人の夢の話になりますが。
Webtoonや漫画は世界的にみると媒体の一つと捉えられています。要するに、一つのコンテンツに過ぎないということなんです。ですので、Webtoonや漫画にとどまらず、いつかドラマや映画などにも挑戦していきたいです。
新米パパ:
僕はWebtoonを作ることによってグローバルに作品が届けられるようになるのが一番いいなと思っています。
今まで漫画を読んだことがない人でもWebtoonを入り口にして漫画を読むようになるというデータがあるんです。
ファンギルドがWebtoonのプレイヤーになることによって、トータルとしての読者人口を増やせていけたらいいなって思っています。
国内もそうだし、グローバルでみてもWebtoonは海外に強いので、そういったところでWebtoonや漫画の読者を増やしていきたいです。
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前編・後編にわたるインタビュー記事はここまで。
JAMTOON編集部を立ち上げて1年。事業を進める中で見えてきた光や課題がありました。Webtoon作品をつくるためには、互いの足りない部分を補い合いながら、共に進んでいく仲間(GUILD)が必要です。
ファンギルドでは、随時中途採用も実施しておりますので、ご興味ある方はこちらよりご応募くださいませ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。