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圧倒的不利な状況で勝ち筋を見つけるための”チームプレー”という選択~「comicスピラ」新創刊

こんにちは。出版社ファンギルド、comicスピラ編集部です。

現在、小説を原作としたマンガ作品が続々と増えています!
中でも特に、読者さんに人気なジャンルのひとつが「異世界ファンタジー」。
魔法が使えたり、ゲームの世界に入り込んだり、中世ヨーロッパのような世界を舞台にしたりするジャンルです。
2023年・冬のアニメでは、なんと20作品以上が異世界ファンタジーのコミカライズ作品という人気ぶり…!

そうした中で、異世界ファンタジー作品をあまり作ってこなかった私たちファンギルドですが、より読者さんが求めているものをしっかりと届けたい!
と思いこの度「comicスピラ」を立ち上げました。

「今ここで巡り合う、異世界の”恋”と”冒険”に」
HP:https://spira.jp/
編集部公式X(旧Twitter):https://twitter.com/FG_spira
ニュースリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000110614.html

異世界コミカライズジャンルでは後発のレーベルとなる「comicスピラ」。

この圧倒的不利な状況でも私たちは

読者さんに喜んでもらえる作品を1作品でも多くつくりたい」

「“スピラ”で描いてくれた作家さんの作品を一人でも多くの人に届け、“スピラ”で描いて良かったと思ってもらいたい」

と本気で思っています。

ここからどう戦い、追いついていこうとしているのか。

「comicスピラ」で作品を世に出すまでに通る、5つのステップからお伝えしていければと思います。

(話逸れますが、“圧倒的不利な状況”って、なんだか異世界ファンタジーの主人公になったみたいでドキドキしますね…!)


「comicスピラ」で作品を出すまでの5つのステップ


まずはじめに、comicスピラでは下記5つのステップを通って、作品が世に出ていきます!

① 原作探し→②企画会議→③キャラクターデザイン→④プロット→⑤ネームから完成まで

ここからは、各ステップごとに、一人でも多くの読者さんに届く作品にするために実践していることをお伝えしていきます。

① 原作探し~100冊を超えた分析の先に見えた人気作の共通点~

そもそも原作となる小説はどこから見つけてくるのでしょうか。

私たちは“小説家になろう”さんなどの小説投稿サイトから探しています。
しかし投稿されている小説の総数は、なんと100万作品以上!
(そして当たり前ですが、サイト内でランキングに上がるような作品は他社さんがもうコミカライズしています…。)

その中で、どうやって読者さんが面白いと思う原作を探していくのか。

私たちはまず、読者さんが「異世界ファンタジー」に求めている要素を知るため、現在刊行されている100冊以上の人気作品を読み、共通している要素や好んでいる要素を分析しました

分析の方法としては、コミカライズの元となった原作小説とマンガを交互に読み比べたり、マンガの各話に発生している出来事や主人公の感情などを箇条書きでExcelにまとめたりなどです。
その他にもとにかく色々な観点から分析を行い、共通点を導きだしました。

この分析より、例えば、異世界ファンタジーの中でも女性向けのジャンルでは〈ヒーローがヒロインを一途に愛してくれる〉というのが絶対に必要だとわかりました。
加えて、ヒロインにも〈不幸な生い立ちや逆境に負けずに立ち向かい、成長することによって幸せになる〉という要素が求められています。ヒロインなのに、ただ受け身なだけじゃだめなんですね。

読者さんは、ヒロインに自分を重ねて読んでいるのではないかと思います。だからこそ、ヒロインには愛されていてほしいし、強く生きてほしいし、幸せになってほしい。そういう願いが反映されているのではないかと、我々は分析しました。

このように分析を重ねていく中で、私たちは“面白い作品”の認識と“なぜそれが面白のか“という認識をお互いに擦り合わせ、それに沿って原作を探しています。


② 企画会議に通す~言語化と明確な根拠の提示~

そうして素敵な原作を見つけたら、次は編集部の企画会議に提案します。

ここで私たちが重視していることは、

「どこがなぜ魅力的なのか?」
「どうしてコミカライズに適していると思ったのか」

ということを言語化し、根拠をもって企画書を作成すること。

ただ、「面白いと思った」だけでは、それぞれの感覚に依存するため読者さんにも面白いと思ってもらえるかわかりません。

主観的ではなく客観的に「なぜ」「どうして」を常に追求し言語化することで、読者さんにも共感してもらえる作品を提供できると思っています。

ちなみに会議には部署内の編集者全員が参加するのですが、企画書作成時には気づかなかった設定や展開の矛盾などをあらゆる角度から指摘され泣く泣く見送りになった企画は数知れず…。

会議においても前述した客観的な言語化を全員がしているので、自分には無かった観点からも検討することができます。

企画が通ったそのあとは、いよいよ原作者さんにお声がけさせていただきます。
原作者さんがOKとなると、その作品の雰囲気に適した作画者さんを探し、いよいよマンガ制作に取り組みます。


③ キャラクターデザイン~チームだからこそ見える視点~

いよいよ作品制作に入っていくのですが、ここでもcomicスピラが大事にしていることがあります。

それは個人ではなく編集部全員でチェックをすること。

出版社にもよりますが、一般的には担当者と編集長のチェックでマンガづくりが進んでいきます。

しかし、comicスピラでは編集部全員でチェックをし、より多くの視点を取り入れています。そうすることで、1人、2人では気づけなかった課題や解決方法がどんどん見えてくるんです。編集部みんなが1つの作品のために頭を悩まし、アイデアを絞り出します。

編集部全員で戦う。

これは後発レーベルである我々にとって武器になると考えています。

そうした体制で始めに行う作業は、キャラクターデザイン(以下キャラデザ)です。

キャラデザとは、原作小説の描写をもとに、作品のキャラクターの顔立ちや髪型、衣装などを描き起こしていくことです。

今まで頭の中で想像するしかなかったキャラクターが、マンガ家さんを通して誕生するこの瞬間はコミカライズの醍醐味ですね。

そんなキャラデザにおいてチームで戦うとは、どういうことなのか?

例えば、「冒険者」や「令嬢」といったワードでも、想像するキャラクターや服装のデザインはそれぞれです。

作品に対しての自分のイメージをマンガ家さんに伝えるには参考資料が必須。しかし、1人で考えられる範囲が次第に限られてしまうケースは少なくありません。そうした時には、編集部で力を合わせてイメージに近い画像や資料をかき集めてきます。

また、視野が狭くなった時には、客観的な意見をもらいながら進めていきます。もちろん、そこから生まれたデザインも全員からチェックが入ります。

このように、一人では気付けない、足りない部分を協力することによって補い、よりよい作品になるよう仕上げていきます。


④ プロット~小説を、マンガとして成り立たせるために~

プロットとは、マンガにする前に全体の大まかな起承転結を文字に起こした台本のようなものです。
原作の小説をもとに、キャラクターの感情、セリフ、話の中で一番魅せたいシーンなどを書き起こしていきます。

ここでポイントとなるのは、小説の内容をそのまま起こすのではないこと。

小説とマンガは、物語の見せ方が大きく異なります。
(例 小説:文章⇔マンガ:絵)
あくまでもマンガとしてどうやったら魅力的になるのかを念頭に考えます。

しかし、なぜこの考えが必要なのか。

これは①で触れた分析で分かったことなのですが、実はコミカライズ作品の多くは、小説とは展開が異なっています。
これは原作小説とマンガを読み比べて初めて分かったことでした。

小説の内容をただ絵に起こすだけでは物語の見せ方が違うので、マンガとしての面白さには繋がらないんですね。

そのため、小説の内容を割愛したり、場合によっては設定を加筆したりと、よりマンガとして楽しんでもらうための工夫を施します。ここがコミカライズ編集を行っていて一番頭を抱える部分であり、作品の可能性を何倍にも広げられる楽しさでもあります。

しかし、そうしたことにはアクシデントがつきもの。comicスピラも直面しました。
実際にあった事例として、ある作品のプロットを作成したときのことです。
小説のシーンとしては

① 誰かに殺害されたヒロインが、自分が殺される前まで時間が巻き戻る。
② 時間が巻き戻ったヒロインは殺された場所の記憶が思い出せず、自分がどこで殺されたかを探す。
③ 探索中、ヒロインは自分が殺された場所に関しての記憶を思い出し、「ハッ!」として愕然とする。(読者さんもこのとき、初めて殺された場所を知りヒロインと同じくハッとする。)

という流れでした。
小説だとこれでOKなのですが、マンガだとある問題が発生します。
マンガの場合、ヒロインが殺された段階から絵として描写しないといけないので、殺された場所を読者さんに伏せたまま進行するのが不可能なんです。

つまり作品を読んでいる中で、読者にとって一番ハラハラして気になる要素であるはずの魅せ場がなくなってしまう。
小説通りの展開だとマンガにした際に矛盾が発生してしまったんですね
発覚時、当然〆切があるものですから相当慌てました…
今ではいい教訓の一つです 。


⑤ ネームから完成まで ~この作品をより多くの読者さんへ届けるために~

そうして完成したプロットを、いよいよネームとして絵に起こしていきます。
この辺りは一般的なマンガ制作で行うフローとほぼ同じですが、大事なのは読者さんが求める展開に必要な要素がきちんと踏襲されているかです。

ここでも編集部全員のチェックを通します。ネームの内容がそのままマンガ内容となるわけですので一層気合が入る部分ですね。隅から隅まで目を向けていきます。

編集部全員でのチェックは、見落としを無くすことはもちろん、修正回数のやり取りをできるだけ少なくしようという意図もあります。1回のチェックでより多くの視点が入ることで、結果として何度もマンガ家さんに修正のお願いをすることを避けています。

この長い工程を経て生まれた原稿を前にすると感慨深いものがありますね…!


創刊を迎えて

こうした工程を踏まえて、今回comicスピラは
「極悪令嬢~令嬢に転生した最強老兵はスキル「魔弾」で無双する~」



「洗脳されかけていた悪役令嬢ですが家出を決意しました。」

2作品を創刊作品としてお届けすることができました。
(双方ともに令嬢なのは意味があったり…?)

この2作品をはじめ、comicスピラで制作した作品に込められている想いとして読者の皆さんに「何かしら前向きな気持ちになってほしい」という願いがあります。

極悪令嬢~令嬢に転生した最強老兵はスキル「魔弾」で無双する~」は、最強の老兵が幼女に転生してしまう衝撃の展開で始まり、転生前のスキル「魔弾」の能力を引き継いだまま異世界で容赦なく無双していきます。
日常では得られない爽快感や主人公のかっこよさがクセになります!

洗脳されかけていた悪役令嬢ですが家出を決意しました。」は 、自分がいつか断罪されてしまう悪役令嬢だと気づいたヒロインが、洗脳してくる父のもとを離れようと決意した矢先、なぜか自分のことを好きなはずがないヒーローに迫られてしまうストーリーです。ヒロインとヒーローの恋のすれ違いにはキュンキュンや切なさが詰まっていて、心が突き動かされるような恋愛を再体験できること間違いなしです

仕事に追われていたり、生きていくうえで感じる行き詰まりといったモヤモヤした気持ちを抱えたりしながら現代社会で頑張っている皆さんに、ぜひ読んでいただきたいなと思っています。

異世界という何にも縛られない自由な世界で繰り広げられる冒険のワクワクや、ハッピーエンドに向かって突き進む溺愛感たっぷりの恋愛模様で得られる幸福感を是非お楽しみください!

◆comicスピラでは原作者さんや作画者さんも大募集しています!◆
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※大変恐縮ですが、採用の方のみにご返信となりますこと、ご了承頂けますと幸いです。

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