真の友を見極められる場所でもある。~緊急事態に酒愛を④
飲み会クラッシャーは存在する。
上司のいない飲み会は超絶楽しいが、ストッパーが無い分ジャイアンリサイタルになるリスクも覚悟しなくてはならない。
脱ぐ奴:意外と一線は越えないので許される人物もいる。ウケないとわかると退散は早いので、放置で良い場合が多い。
泣く人:ストレスためやすいタイプの人もいるが、単にかまってちゃんだったりもする。泣いてる振りして会費を払わず逃げ切ろうとするちゃっかり者もいるので、必ず先に会費を徴収すること。
女子社員コンパニオン扱い:「そこ、女子並んでるよ。」下品極まりない安っすいおっさん。仲間だと思われたくなかったら縁を切ろう。
普段無口テロリスト系:「○○部長と☆☆さんが不倫してる」とかいう都市破壊型兵器並みの発言をする。後に社内条例が発布されるレベルの扱いになるので、次回以降呼んではならない。
経験値も増えてくると、今日の宴会がどういう状況に着地するかは、なんとなく分かるので、対処は可能だ。
さて、本日のジャイアンは道端で眠るこいつだ。週末のタクシーを確保することは不可能に近い。人力で連れて帰るか置き去りにするかの二択だ。宴会の破壊のされ方具合によっては、復讐の意味も含め全員一致で置き去りを選択する場合が多い。
「ここは僕に任せて先へ行け!」
「すまん、骨は必ず拾う!」
そうやって、いくつもの屍を越えて友情を育み、僕らは大人になっていくのだ。
一応、迷惑にならない場所に移動させ、安全を確保し、家には帰れるようにポケットに定期券は残しておく。カバンを拾い上げ最寄り駅に向かう。
「駅員さん、なんかこのカバン、落ちてたんすよねー。」
あとはダッシュ。
何があろうと振り返ってはならない。
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