香に迷う(かにまよう)
そうやって僕らは消費者心理をコントロールされているわけだ。
「なあなあいくつ貰った?」
「部活の後輩と先輩と近所のおばさんから計7~8個か。」
「いっこくれ。家で恰好がつかない。」
「半分やるよ。どうせ特別な気持ちは盛り込まれていない。僕にとってこの形骸化された儀式にはなんの意味もないのだから。そのかわり一か月後に訪れる釈然としない日のために幾らかをよこせ。」
「気持ちなんかどうだっていいんだよ。大事なのは嘘でも実績。」
「僕らはこういう不毛な会話をいつまで続けていくのだ。」
「そう言えば、さっき久しぶりにたもっちゃんに駅で会った。ピンクの手提げ袋とか持ってっからさ、突っ込んで聞いてやった。そしたらなんか隣のクラスのやつから貰ったって。妙にスカしてて何なんアイツ?」
「あ、たもっちゃんち男子校じゃん。」
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