酒宴と酒炎と酒厭~緊急事態に酒愛を②
会社人も2~3年目になると、酒宴プロデュースという超スペクタクルな任務が回ってくる。その後の職場での人間関係にもかかわるほど重要な案件だ。僕は今でもこの手の任務に付きたくない。小人数の集まりと違って、勘案しなくてはならないことが山盛りだからだ。
まず女性社員の不評を買いたくなければ、おじさんたちの好みは後回しでよい。美味しくて新しめの店が基本だが、鍋や中華など、取り分けることを前提にした料理を選んだ場合は、帰り道で刺されることを覚悟したほうがよかろう。なにがあっても、女性社員に不調法があってはならない。
そしておじさんたちにとっての最重要確認事項は、入店時に靴を脱ぐか否かということである。おじさんたちのビジネスシューズは判で押したように同じである。ずらりと並んだ同調圧力の権化は、もう砂糖水に群がるアリみたいでキモチワルイ意外の感想はない。居酒屋のサンダルのまま帰宅するうつけものなんかは全然可愛らしいが、いつもと違うサイズ感に違和感を持たないタワケた酔っ払いは必ず存在する。
それが買い替えたばかりのタイミングで、なおかつ偉い人のものであったなら、楽しかったはずの時間は、瞬く間に凍り付く。
「部長の27.5cm、まだ新品だって。とりあえず店の人にサンダル借りることにした。」
「また汎用サイズだよなぁ。気づいても明日以降、名乗り出るか…」
「いや、それが片方だけなんだよ」
「野良犬かよ?」
狙ったターゲットであったなら、鼻が効くやつなのだ。やはり犬に違いない。
個人的に敵は多いので、とりあえず自分のデイパックの中身は確認することにした。
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