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ポピーを咲かす

「ママー!『チビちゃんロロフス』お願いしますっ!」
←これはトイレに付いてきてドアの前で歌ってくださいって意味です(笑)

チビコはいつもそうシャウトしながらこちらをチラッと確認し、ママがその顔なら嬉しくて元気100倍っ!って感じでトイレにダッシュしていく。私も笑っちゃって、はーい、と言いながらえっちらおっちらついていく。うちのチビさんはママがトイレのドアの前で「その日のチビさんを称える即興替歌」を歌ってくれるのが大好き…っていうか、そういうもんだと思っておるのです。私はパラサウロロフスの曲に乗せて歌う。

♫ちーびちゃんロロフスかわいいコ♫きょうの変なグミヤバい味だったねー♫チビちゃん走るの早かったー♫勇気があってすてきなこー♫

私の思いつきで始めたことだけど、まさかこんな何年もやることになるとは、思ってなかったんだけどなあ〜。


私の子供時代は、トイレって毎日ずいぶん不安で大変だなー。と思っていた。ドアを出たときに知ってる大人に会えたらとにかくホッとして、さらにその人がニコニコしてくれるとどれだけ嬉しかったか。(きゅーん!)


 チビコはトイレから飛び出したらもう私のことは見ない!かっこいい。外で朝ご飯食べていい〜?って言いながらお皿を持ってニヤニヤ、緑の葉々が光る窓の前に立ってる。いいよーという。皿を持って慎重に出ていくオチビ。

ちょっと静かだからベランダを見る。ベンチに姿はなくて、その横に置いてあった洗濯カゴの中にチビコはいた!洗濯カゴのなかに丸く座ってお皿を抱えてモグモグと大きい目玉焼きを飲み込んでいた!

友達のsちゃんが種から育ててプレゼントしてくれた珍しいポピーの鉢植えがどうも元気がない。いつまでもいつまでも蕾が開かない。
こりゃあ環境が変わってだめだったかな、植え替えも肥料も嫌いな子らしいし、どうしたものかと心で思ってたら、チビコがちっちゃな指で蕾の固い殻を大胆にもポロッとむいた!!!えええっ!ちょっと、駄目だよ!と言ってはみたが、この場合諦めるよりずっといい気がしたのと、ものすごく自分と違う根明シンプルな性格に大ウケ!

お昼に見たらポピーは咲いてた。何個も何個も。そりゃあもう世界一繊細な薄さの白い花びらで、アーティスティックではっとする面白いデザイン、素直な、かわいいお花がヒラヒラ咲いてくれた。まさにsちゃんのポピーだ❤

怒られた時は「チビちゃんは殻をやってないよ」とか、目をそらしまくってしらーっと嘘ついてたくせに、いざ咲いたら「このこはチビちゃんが咲かせてあげたお花ちゃんだよね!」とかものすごく胸を張って言ってきた。


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