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暗闇妖精

そういえば最近は、よく暗闇を散歩してるなあ、と思う。日が短くなって来たという事だろう。山だから日が暮れると真っ暗になるのだ。

夕焼けがあれば必ず見惚れるし、沈み切る前に帰路へ動き出さねばと体が作動するから大丈夫なのだけど、曇りや小雨の夕方はうっかりして、よく暗闇を帰ることになる。

「そろそろ暗くなってきた!やばい!走ろう!」

山頂でだるまさんが転んだをやりまくっていたチビコと私とsちゃんとsちゃんのワンコは山を駆け下りる。
木々はぐわんと濃く、空はどんどん暗くなっていく。
私のちっちゃいペンライトを、チビコは走りながら
「それ持たせて!」
と言ってくるから、私も走りながら考える。

「うーむー!これは命綱の明かりだからな、、落とさず持てそう?」
「持てる!」
「‥よし、じゃ任せる。みんなの明かり番、頼むね!」
チビコは眉と目をキュッと嬉しそうに上げて、鼻の穴を膨らませて気合十分に頷く。暗闇で私からバトンを受け取るようにペンライトをぎゅうっと握る。そして私とsちゃんを追い越し、先頭を走るsちゃんのワンコ君にピタリと並走しながら、夜はよく見えないワンコ君のために道を照らしながらチビコは走った。
ピカピカピカピカッ、一生懸命走るチビコの揺れと、オチビが照らすワンコのゴールデンな毛並みの弾むような美しい揺れが暗闇の森に浮かび上がる。

「何あの2人〜!かわいい〜っっ!!!リアルティンカーベルだよお〜〜!しっぽが光ってる〜〜っ!」
と、私とsちゃんはチビ達の後ろ姿に大悶絶しながら走る(笑)

山を下ってまた登り、ついに駐車場の明かりが見えたところで、オチビがペンライトを落とした。パッとティンカーベルの明かりが消え、静寂。

振り返ると山は完全に闇だったのでちょっと深呼吸して
「本当に妖精に送ってもらったみたいだったね、、」
と、sちゃんと私は言い合った。


山の駐車場には近くの民家の明かりが温かく届いている。頑張ったオチビとワンコ君を撫でに行く、チビコは誇らしげな笑顔で目をつぶって抱っこされる。

sちゃんの車に乗るとワンコくんもチビコも眠そうで、私の膝上と右横はホカホカふわふわしていた。



これはハローウィンの暗闇!
ベトナムの魔女sと猫たち😻


『おまけ。闇歯みがき』

その夜。オチビが歯磨き椅子の上からスライムのようにデロデロと溶け落ちた。「やりにくいでーす。」と言うとニヤニヤ歯ブラシを噛んでくる。夕方に中途半端に寝ちゃってちょっとダルいのでしょう。
洗面所の電気を消して真っ暗闇にし、ペンライトでチビコの口の中を照らしながら歯を磨くっていう『闇歯みがき』をやる。大ウケ、元気回復、闇雲な元気ではあるが(笑)
実は私も闇歯磨きが大好きだ。内視鏡みたいっていうか、異様な臨場感がある。。。!

いつか山頂で見たクジラ雲😍

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