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お願い犬

幼稚園では運動会の練習が始まったらしい。チビコがいつも以上によく走っている今日このごろ。

私がソファーに座ったら、汗でしっとりしたチビコが大急ぎで隣にやって来て、コテンと転がった。
ちっちゃくて柔らかい、肩も背中もおしりも、おもしろいことしかできない性格も。なんてかわいい生物なんだろうなっ。。と、いつもの如く信じられない気持ちになっていた時に突然めちゃめちゃ臭い匂いが!目の前にはちっちゃい人の足がのびのび。ピンクのぷちぷちした足指を動かしておる。

…このオチビはお気に入りさんのスニーカー以外は履かないし、残暑の中で運動会の練習を張り切っており、ついでに水たまりが大好きで靴下はキライなので、そりゃまあ匂いは推して知るべしである。

「チビちゃん、足がくさい匂いしたっぽい〜。洗っておいで〜。」

と言ったら、チビが『えっ?』と、たじろいで照れて、ヨガのようにあぐらを組んで足を持ち上げてくんくんと嗅いで「ぎゃあーっ!!!」って言ってひっくり返った(笑)
そして、な〜んとなくイガイガした顔で、チンタラし始めた。。

せっかく甘えたところに『足臭い』なんて指摘されたら
驚くし、恥ずかしくて(何よッ)って反発が湧くのはよく分かる。
だからって洗うっきゃないんだけど、素直に洗うタイミングを逃して袋小路にハマってるオチビを見ていたら、わたしだって同じ経験があるんだよ。と、痛いほど思った。

ちょうど目の前にペンがあったから、シュッ!とチビコのぷにぷにの足の裏に紫犬の顔を書いて
『洗ってくださいワン〜ッ!』
と言う(笑)変なアドリブだけど、チビコはびっくりして凄く喜んで、
「こっちの足の裏にもかいて〜っ!キャハハ」
とか言うから、左足には、やる気のあるマルチーズを書いた。
陽気なステップを踏み踏み、足裏の犬たちと連れ立って足を洗いに行ったチビコの後ろ姿をすごく嬉しい気持ちでお見送り。



タオルをズルズル持って帰ってきたチビコは
「ママ、そっと拭いたけど、ワンコ達消えちゃった。だから、また描いてあげてね、わたしのあしが臭くなっちゃったら。」
と言った。

「うん!また書いてあげる!」
とわたしは言う。何度でも、いくらでも書いてあげるよっ、と思う。
それで、思春期の臭い靴下の大きな足の裏を思い、かかとが乾燥してる中年の足の裏を思い、見る事はないかもしれない薄い皮膚がよれてる老いたちいさな足の裏を思い、心の中でそんな全部のチビコの足の裏にやる気のあるマルチーズを描いた。
『やあやあ、チビちゃん!きみが大好きワンよ!足を洗ってほしいワン〜ッ!(笑)』




超キレイだったドライブ


足がいい匂いになったチビコと私はひさしぶりにかき氷が食べたくなって、下のデッキに遊びに行った。

ジイジとバアバと夫くんの弟である通称ニイニと一緒に、今年最後かもしれないかき氷を作った。渾身の【ベリー系シロップ全種掛け】は巨大なルビー以上に宝石のよう!

宝石!
抹茶系も人気

おかわりするにはちょっと寒いねえ、でも美味しいわあっ!と、かき氷との別れを惜しむようにみんなでゆっくり食べた。



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