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キツネやタヌキ

「キツネ」

先日珍しくスーパーに寄ったら、音のない店内に「ガッシャンー!ドンッ!」という、とんでもない音と「何やってんのよ!もう!!」という半笑いでキレてるような叫び声が。。

何事かと思ったら、精肉売り場前の広い通路で、カートが横倒しに倒れていて、カゴや商品が散乱する中、大きなおじさんが奇妙に崩れた横座りの形で倒れぼんやりしている。そして隣に立ってる奥さんが倒れてる旦那さんの事を超小突いている。。
私は焦って駆け寄りながらも、この奥さんなんなんだ?等と奇妙な不穏を感じたところに、小さいおばあさんが強い声で、「大丈夫ですかっ?!」って言って、私より先にその場に到着した。

脳的なことや持病的なことで急を要するか?と思っていたであろう小さいおばあさんも、夫婦の妙にぼんやりした半笑いの感じに露骨に眉をひそめた。酔ってるようには見えないのだが。

大きいおじさんはキツネにつままれたような顔でのろのろと立ち上がった。奥さんも同じ顔でぼんやり立っている。
私は黙って商品を拾った。
小さいおばあさんが若干怒った感じで「お怪我はないですか?」と聞いたら、大きなおじさんは自分の胸を撫でながら「あ、大丈夫です、」と思ったよりちゃんと言った。そして少し黙ってからポソリと

「…膝カックンがツボに入った。」

と言ったので、私は反射的に「あ、そうなん」とタメ口言ってしまった。そして夫婦はペコペコしながら猛スピードでカートを押し飛び去っていった。
残された小さいおばあさんが私に

「そ〜んな事も、あ〜るんですねえ〜っ!!」

と、抑揚たっぷりに大声で言ったので私は思いっきり吹いてしまった(笑)
小さいおばあさんも「アッハッハーッ!」と波平さんみたいな大笑いをした。棚の影で緊張して見守っていた他の人達もおおいに笑っていた。


変な日〜w


常連客のツマミ

「タヌキ」

(注意、虫嫌いな人は読まないでくださいね!)


玄関をほうきで掃いていたらチビコがやってきて
「タヌタヌの下も掃いたほうがいいよ」
と言った。

タヌタヌというのはなぜだか家に来ちゃった信楽焼のタヌキのことで、案外めちゃくちゃ気が合ってしまった、かわいいやつ。

タヌタヌは口のところが空いていて中は空洞だ。ジイジ教室の子ども達はみんな草や枝をタヌタヌの口に入れたがる。

タヌタヌを持ち上げ、下に落ちていた草を掃いていたら、チビコは怪訝な顔で
「ちがうよ」
という。
なにが?と聞いたら、チビコはタヌタヌの口の中を覗き
「ああ!詰まってるんだ!」
とか言って細長い枝をタヌタヌの口に入れてつついた。
すると、ボサッボサッとなにかが出てきた。
中にはみっちり、枯れ草とか枝とか木の皮とかが詰まって塊になっていたのです。う〜わ〜。と思って、タヌタヌを揺さぶってその塊を落としたら、着地した瞬間、ダンゴムシが100匹位サーッと放射状に走り出た…………。



「ママちゃん、こういう木の皮には赤ちゃんがいるよ、ほら」「ほんとですな。。」
とか一応チビコと話しつつ、もう待つしかない。ダンゴムシ達がどこかに行くまで。

タヌタヌ、ご苦労さま!!

チビコ〜〜

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