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わんわんソフトクリーム

↑タイトル写真はラブラブハグではなく、砂を掘り続けるのをやめないオチビを引っこ抜いて連れ帰るところ(笑)
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スケボーにオチビを乗せて、私は伴走して、海に行く。


私達はスケボーに全然乗れないけど、ここは誰〜も歩いていない広く舗装された山道だし、行きはずっと下り坂で勝手に進むから、そりゃ楽しいのだ!

チビコは犬のお散歩のように自分の腰に紐をつけ、端を持って欲しいと言う。スピードが出すぎたら私が紐を引っ張り、安全運転で行こうというわけだ。
エメラルドグリーンのヘルメット、膝当て肘当てをツヤツヤくっつけて、太陽に透ける髪をヒランと風になびかせるチビコはとてもきれい。ちょっと前までアザラシみたいにスケボーに寝そべって散歩してたのに、立って蹴って漕いでる!

トンネルを二本抜けたら海がキラキラ光り輝く。
ひと山越えた体はセーターの中で発熱してて、

「ねえ、海でソフトクリーム食べようよ。」

ってチビコが眩しそうに笑って言った。コンビニアイスコーナーで、ソフトクリーム形カプセル入りの固いソフトクリームを買う。

海岸に降りる細い道は思い出の道。「ねこは?」と聞けば、まだおしゃべりできない赤ちゃんチビコが抱っこひもの中から「ニャ〜!」って言ったものだった(笑)
犬は?「わんわんっ」たぬきは?「ポンポン!」キツネは?「コンコン」じゃあ馬は?「…..」ヒヒーン!だよん。「ヒヒーン!」そうそう〜。上手上手〜!って。

そうやってずうっとお話しながらここを歩いてたねえ〜!って映像が勝手に見えちゃうから思い出の道は魔法の道。でも現・チビコがひとくちしか食べてないソフトクリームを砂に落として真っ青になって走ってきたからやっぱり現実を見ないとだ!

砂がついた表面をカプセルの蓋でキューッと削いで食べれるようにして「ほいよっ!」とあげたら、チビコは不審げな顔で削ぎソフトを見てたが
「砂がついた方はワンコが食べるよ!」
って、海で会えたsちゃんがカプセルをワンコに舐めさせたから大変なお祭り騒ぎが始まった。

砂ソフトを舐めたsちゃんの大っきなゴールデンワンコは魂を奪われた高い声になってク〜ィ゙〜〜ン〜〜!と甘く切なく鳴きながらチビコを追い、お散歩中だった見知らぬワンコもその様子に引き寄せられて参加。
飼い主さんは「あなたはソフトクリームはダメよ!」って鬼の形相でワンコの紐を引きまくってたが、そのワンコは1ミリも舐めて無いのにいきなり私にゲロを吐いたからビックリした〜。みんなビックリし過ぎてなし崩し的になんだか一緒に遊んだ(笑)

チビコはわんわん達の羨望の眼差しを浴びながらゆーっくりペロペロとソフトクリームを食べた。
痺れを切らしたワンコが接近するとソフトクリームを天高くかざして守りながら、ぎゃ~!とか超大声で笑いながら、ちびちび指を舐めさせてあげたり、すさまじいまでの優越小僧だった。


紐つきのチビ達w



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