人間
おやつを食べたチビがごちそうさま〜。と言いながら一瞬逆立ちをしたので、もうそんな事が出来るの?!と驚いたら「ママも一緒にやろう!」と言いだした。しかたないから渋々挑戦したら全然できない。ギャハギャハ笑われる。
自分の体が思った以上に重いことがおもしろくて何度かやってたら多少足が上の方に行き始めた。こうなると天地がひっくり返って肩にかかる重みの変さが面白い。
するとチビコが
「ママちゃん、もっとね、
『わたしは真っ直ぐな人間だ〜い!!!』って感じでやれいっ!」
と言った(笑)コーチはずっと真剣に見てくれていたのです。
「わかった!」と言って、ちょっと足が上がったところで思いっきり蹴り伸ばして「私は真っ直ぐな人間だーいっ!」と言うのを2回ほどやったところでコーチに真顔で止められる。
「ママちゃんごめん。あのさ、あのやり方はチビちゃんにはいいんだけど、ママらしい言葉じゃ無いからいけないのかも。」
チビコが眉間にシワを寄せて首をかしげながら真剣に言うので、必死に笑いを噛み殺して「なるほどね、ママっぽい言葉は何がいいかな」と聞いたら一生懸命考えてくれて「う〜ん。。。『ポッチップを食べた〜くていっぱい寝た〜い人間ダヨー!』かな」
おい!なんかゴロも悪いし!
私らしさ恥ずかしー!
「C or し」
いっぱい寝たい人間である私は!ある日チビコの朝ごはんを作る気力体力材料の、全てがエンプティで愕然とした。するととっさに目に入ったキュウリを2本、高々と掲げて口が言った。
「cか、し!どっちがいい〜?」
チビコは、いきなり現れたキュウリを見て0.5秒くらい不信そうな顔をしていたが、ハッとしてニッタ〜。
「『し』にします!全体に塩を頼みますっ!」
『し』の形に曲がったきゅうりを1本、大層ご機嫌にかじって行きました。
それ以来、幼稚園から帰ってくると
「ただいま〜。『く』ある?」とか言う。
『ヤクルトたくあんブーム』を思い出す。オチビが初めてヤクルトをもらった時の事だ。アイツは喜びすぎて、たくあんを齧っているのを忘れて、大事なヤクルトの中にたくあんを落としちゃったのだ。
泣きそうな顔でこちらを見るチビコに、私の口は言った。
「どう?ヤクルトとたくあん合う?」
チビコはみるみるニッヤ〜!っとしてグビグビ飲むと、『合うっ。ヤクルトとたくあんは合うよ〜!合うよ〜っ!』と、そこにいた全員に無理やり飲ませた。
それからしばらくの間、ヤクルトをもらうたびに『たくあんを出してくれいっ!』という飲み屋の常連みたいな子供になってしまった(笑)
よくわからないんだけど私の口は勝手な事を言うんだよなあ。私の頭はいつだってポッチを食べて寝ていたいが、口のほうは無類の遊び好きなのかもしれない。