ヤバいチビだね~
これは夏休みが始まるちょっと前のこと。
ハンモックで遊んでたチビコがいきなりサイレンのように泣いたので、咄嗟に恐怖顔をしないよう自分のほっぺをもみもみ大急ぎて近づいた。
チビコが世界の深刻度を測るほとんど唯一の基準は、私の表情だからな。油断禁物、
ほら、大泣きしてる目の端で、スーパー高性能に私の在り方をチェックした。
私はチビコくらいの頃、整体の先生が『うむ、とても高いところから落ちてコケたな。子供はなんとすごい。よい体だ。』という顔で私を見てくれた時、自信と力がみなぎって来た感じをいまだに覚えているのです!
逆にコケただけなのに、大勢の心配したお婆さん達に泣き叫ばれた時は(こわい…)と思って気絶した。
顔はもんだけど、紫色になってる中指の先っぽを見たら(病院行くかギリ〜‥)というたじろぎが通じてしまい、泣き声がワンランク上がった。
結局家で様子を見ることにし、できることは全部終了。シメシメ泣きっぱなしのチビコに、部屋を薄暗く涼しくして、
「飴を舐める?」
と優しく言ったのだが、
(飴なんてッ!!!!)
って感じにブンブンに頭を横に振った。なんかちらちら薬箱のほうを見てる。
あっ。薬箱の中の特別なグッズを何か出して真剣にしてほしいんだ!
それで薬箱をいっぱい並べ
「指先は神経が集まってるから一番痛いんだ。これは相当なもんだ。
だが子供の体はすごいから、こんなひどくてもわりと早く治るだろう。
ちなみにママもこういう怪我で青、黄色、緑、赤、紫色、黒みたいになっちゃった事あるけど。じきに治った」
とちゃんと言ったら、目に涙をためて頷いた。
そしてチビが絶大な信頼を置いている『トローチ、舐めてみる?』って(笑)薬の袋から出して口に入れてあげたらすごく安心して、赤ちゃんみたいに一生懸命舐めながら寝てしまった。。いじらしかった。。
夕方、元気に起きてきたチビコの指は鮮やかな紫&ブルー。
「ねえママ〜。ママが昔もっと変な色になっちゃった話して〜?」
「ああ。なんかスネをぶつけてさ、青の端っこが黄色と黄緑になって、赤の中は紫と黒のぷちぷち柄になった。もうそんなに見るなって皆に言われたんだけど、ひたすら見続けちゃったからまだあの柄覚えてる。」
と言ったら、チビコは
「ママって、ほんとにヤバイチビだな〜っ!!」
と、いつものようにおかしそーに言ってニコニコしてた。
…ていうか、ああいうの柄って言わないか!(笑)