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見送りダッシュ

園バスが帰って来て、チビコが黄色いステップを降りてくる姿ったら、吹き出してしまう。なんていうニッヤニヤ顔なんだ!

この顔は走り去るバスに並走してどこまでも追いかける気だよと、私は私の足首に伝える。家の前は山の坂道で、転げ落ちるようにスピードが出るから。


始めてチビコにダッシュされた日は、
あら、走ってかわいい。え?ちょっ?おい!!どこまでいくのーーーーーーーー!
って感じだった。急に去ったチビコに焦った私は、渡された幼稚園バックや水筒を持ったままガチャガチャと、サンダルで追ったけど全然追いつかなかった。


どこまでもどこまでもつづく長い下り坂道のはるか下の方、秋風がふわっとひんやりする中、米粒のようなチビコが超イタズラ顔でこっちを見てた。
もっと走っちゃおうか、ヤバそうか、ママの顔を測ってるのだ。行き過ぎ!戻って!と大声で言ったけど、内心驚きで笑いが止まらないのはバレて全然帰ってこないものだ!


「ママちゃん。今日も帰ったら走ろうね!靴を忘れるなよお!まったね〜!」
と言いながらお調子に乗って朝の幼稚園バスは去っていく。ポニョが通うようないい幼稚園でほんとうに良かった。

帰ってきたらそのまま荷物を庭石の上にポンと乗せてよーいスタート。
「ばいばーい!ばいばーい!!せんせー!バーイバーイ!」バスから黄色い声援、みんなが手を降ってる。

バスは行って、チビコがついに止まる。でもまだ遊びたいから川まで行った。チビコに「こっち行こうよ!」と言われ葦をガンガン踏んで川の飛び石を渡ったものの、ヤバい小石の上で急に止まるからバランス的ににっちもさっちも行かなくなって、「…どうする?ここで落ちるのは嫌だよね。」と本気で2人で顔を見合わせた。(無理やり何とかなった。)

朝日が山から出る時、
山に入っちゃってる感〜。


今朝、ベランダで洗濯を干してて、夫くんの行ってきまーす、が聞こえなかった。ドアが閉まる音が聞こえ、チビコが「パパが1ミリも何も言ってもらえずに去ってしまった!!」
と言ったので、そりゃあいけないよ、追おう!という事になった。お迎えの植木屋さんトラックが丁度庭から出るところだった。
「パパー!!いってらっしゃいー!いってらっしゃいー!」
とチビコは山の登りダッシュでトラックに並走してものすごくお見送りした。私もトラックの中の夫くん達のあんな顔が見れたから幸せだった。

うるさくてヒヤヒヤするけど、チビは元気!


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