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ベンチャー企業の資金調達のその後〜クールフライヤー株式会社の成長戦略インタビュー〜
こんにちは、FUNDINNOのまとめ編集部のハネコです!
FUNDINNOで資金調達をしたベンチャー企業の"その後"に迫る本企画。
今回は、2022年7月に資金調達をしたクールフライヤー株式会社の取締役 粟野 剛史(あわの たけし)さんにお話をうかがいました。
クールフライヤー株式会社は、4件の自社特許技術によって、油ハネが極めて少なく、油を新鮮な状態で長持ちさせることで、一般フライヤー比で約40%の油の消費量を削減できる「クールフライヤー」の製造・販売を行っています。
2022年当時のFUNDINNOで資金調達した際の募集ページはこちらです。
資金調達のその後をインタビュー
調達後の進捗~メディア露出が順調に増加~
主力商品である「クールフライヤー」の事業進捗についてお聞きしました。
ーー FUNDINNOで資金調達した後、事業の進捗はいかがでしょうか?
食品新聞のYahooニュースへの転載やテレビ東京「みどりをつなぐヒト」の番組出演など、メディア露出が連鎖的に増えました。ありがたいことに、掲載・放送直後にはお問い合わせも多くいただいています。2021年以降、食用油の価格はかなり高騰していて、キャノーラ油で1.8倍くらい高くなっているのですが、こういった事業環境もクールフライヤーの販売には追い風と感じています。
●参考:油の交換が実質不要の「クールフライヤー」 調理現場に革新(Yahoo!ニュース・食品新聞)
ーー お問い合わせの中で、「こんな企業・お店からもお問い合わせがあるんだ」と意外だったところはありますか?
実際にクールフライヤーを採用いただいたケースでは、今年6月にお店をオープンされた、「レア天丼 銀座 三よし(みつよし)」さんですね。レア天丼とは、表面は揚がっているけども、中は半生に近い状態で仕上げる天ぷらを盛付けた天丼のことを指すのですが、なぜクールフライヤーを採用いただいたかというと、クールフライヤーでないと、このレア天ぷらが実現できなかったからなんです。先方のプレスリリースにも、クールフライヤーと協業でレア天丼を開発したと書いていただいていて、本当にうれしい限りです。お店も混んでいるときは1時間待ちとなるほど繁盛されているようで、今後は複数店舗の展開も視野に入れていらっしゃると聞いています。
●参考:【世界初】レア天丼の専門店が開店、飲食店と厨房機器生産者、マグロ専門仲買らが三位一体で食材の良さを引き出し、天丼の新しい価値を銀座から世界へ ~「レア天丼 銀座 三よし」レア天丼専門店が銀座に6月2日にグランドオープン~(株式会社フードナビ)
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ーー 素晴らしいですね!まさにクールフライヤーがあってこそ実現できた商品ということですね!
そうですね。弊社は、特許4件と商標1件を取得していますが、この知財をライセンス事業という形にせず、会社の資産という形にして、開発・販売を行う態勢にしています。知財ビジネスと言っても、フライヤーを設計したり・外注したりということにはパートナーが必要なので、協業なども広げていきたいですね。
今後の事業展開 〜大型機の量産・開発に向けて〜
続いて、今後の事業展開についてお聞きしました。
ーー クライアントも順調に増えているのでしょうか?
そうですね。ただ、販売台数という点ではまだ少ない状況です。この理由として、今のクールフライヤーの油量は7リットルなのですが、業務用として需要が高いのはもう少し大きいサイズなんです。そのため、現状のクライアントは小規模な飲食店さんが中心となっています。
●参考:クールフライヤー社の導入事例
●参考:導入企業の声<伊勢角屋麦酒・X(twitter.com)
˗ˏˋ フライヤーに革命! ˊˎ˗
— ISEKADO@伊勢角屋麦酒 (@isekado) July 20, 2023
伊勢角屋麦酒 内宮前店の名物「カキフライ」❣
そして揚げ物に欠かせないのがフライヤー!
フライヤーを使うと、油の劣化が早くて
消費量が多くなる…というイメージがありますが、
それを覆してくれるのが#クールフライヤー ✨https://t.co/CXDVw3jIPK
👇 つづく
ーー なるほど・・・!大きいサイズのフライヤーは現在、開発中なのですか?
はい。今年度、「ものづくり補助金」として750万円の採択が決まっているほか、「事業再構築補助金」の申請も予定しており、正式に交付されれば6,000万円の補助金を支給いただける予定ですので、大型機の開発・量産を進めていきたいと思っています。
ーー 油ハネがなく、油も劣化しないフライヤーは家庭でも需要が高いと思うのですが、家庭用の販売時期などは決まっていますか?
可能性は探っていますが、具体的な話はまだ決まっていない状況です。家庭用3リットルのフライヤーとかができたらうれしいなとは思いますね!家庭用フライヤーが実現できると、油ハネが少ないのでキッチンを綺麗に保てるというのはもちろんのこと、火災のリスクが大幅に減るということも訴求できると思いますね。参考までに、どのくらい油ハネしないかと言いますと、社長の山田は販売中の業務用7リットル機を自宅に置いて使ってます(笑)
ーー 家庭用フライヤーの販売が楽しみです!海外展開については決まっていらっしゃるのでしょうか?
まだ未定ですね。知財に関しては、海外への特許申請を進めていますが、海外展開となると、製造の問題や安全基準の問題などのハードルもありますので、もう少し先かなと思います。
ーー クールフライヤー以外の、新しい事業として、揚げカスから肥料や飼料を作る事業なども検討されていらっしゃるとか・・・?
まだ手探り段階です。油の再生や循環を検討されている企業さんと何かできればいいねという話はいくつかありますが、具体化しているものはないですね。
ーー 最後に、改めて、今後の展望についてお聞かせいただけますか?
大型機の開発・量産が今の最大のテーマです。現状のクライアントは個店が多いですが、今後はチェーン店にもクールフライヤーを展開していきたいと、取組みを進めています。ただ、フライヤーのような商品の場合、既存製品との入れ替えのニーズはあまりなく、新規オープンの店舗での導入というような話になると、どうしても商談の足は長くなりますが、根気強く提案していきたいと思っています。
粟野様、貴重なお話をありがとうございました!
編集後記
クールフライヤー社の提供する商品は、日常の「不」を解消し、世界をより良いところにする、というスタートアップの本質をまさに体現していると思いました。「美味しい」と「環境問題の解決」が両立するこの素晴らしい商品が、日本だけにとどまらず、世界の食文化へと伝わることを心から願います。
クールフライヤー株式会社の成長戦略や直近の仕掛けは、PRTimesや公式サイトをチェックしてみてください!
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では、また次回にお会いしましょう♪