能登災害ボランティア体験記(5/9)
05 孤独な人を1人でも減らす
ニュースにも出ていましたが、5月、輪島市の仮設住宅で一人暮らしの70代女性が亡くなり、石川県内の仮設住宅では初の「孤立死」となりました。
「どうすれば死を防ぐことができたのか」2度と犠牲を出さないために現場は引き締めて活動が行われています。
2004年の新潟県中越地震以来、災害時に「生活不活発病」が起こると言われ始めました。
せいかつ・ふかっぱつびょう
生活不活発病ってなんのことだったかな
改めて調べてみました
「動かない」状態が続くことにより心身の機能が低下して「動けなく」なっていくことをいうそうです。
たとえば、地震で周囲の道が危なくて歩けない、職を失いすることがない、周りの人に迷惑になるからと動かないということもあります。避難所で生活をしたり仮設住宅へ引越しをしてすみ慣れた家を離れることで炊事や掃除の頻度が減ったり、庭いじりや農作業ができなかったり、地震の後だからと遠慮して散歩やスポーツ、趣味をしなくなったり、居所が変わることで人との付き合いが薄れ外出する機会も少なくなりがちです。
ボランティアがなんでも助けてしまうというのも原因になるそうです。要注意。
意識しないうちにじわじわと動く習慣がなくなり、いつの間にか動きづらい体になり、地域活動への参加も億劫になってしまう。この「生活不活発」な状態が、もともと個人が持っていた疾患や心の病と重なることによって災害関連死の原因の一つにもなるとされます。最も防止したい症状の一つです。
避難所にいる時と比べて、仮設住宅に入ってからの方が外からの目が届きにくく運動する機会も少なくなるといわれています。
そこで、復興支援JOCA能登町チームでは、他の団体と連携しながら仮設の見守り活動の一環で、集会所などで健康のための体操やレコード鑑賞、JOCAカフェ(お茶会)などのレクリエーションを実施しています。
参加を呼びかけることをきっかけに会話が発生したり、何気ないやりとりからその人の健康状況や困り事を察知していきます。
お茶会や、音楽や、お話し、体操など、いろんなテーマを繰り出して、外に出るきっかけにしてもらいます。
仮設入居の開始は被災地にとって新たなフェーズであり、そこでむかえる引越しは支援者が入居者と出会える貴重な機会です。そのタイミングで少しでも顔の見える関係性を作っておくことがその後のつながり作りに役立っていくと強く感じました。