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懲役ダイアリー 2017年1月23日月曜日 刑務所川柳と刑務所あるある

「報奨金 カイジの世界と ほぼ同じ」




この川柳を思いついたのは先日、昨年の12月分の報奨金を頂いた時。




金額は・・・




294円。




3類菓子は300円。



買えない・・・。


まだ3類にもなってはいない、私は無類。通称「白バッジ」と受刑者から呼ばれる身分だが、労働の対価ってしっかり考えないと、刑務所でも社会に出てからの人生もやっていけないなと感じる。

これをきっかけに、刑務所川柳と刑務所あるあるを毎日一つずつ作って日記に残していこうと決めた。何かを自分で考えて、見つけて、生み出すことはとても楽しいだろう、じゃあやってみようという気になったからだ。



ここで刑務所川柳を書き留めておく。



「刑務官 若い人ほど 口悪い」



「音立てて 食べるとすぐに 省られる」



「麺の日は ここぞとばかりに 音立てる」



「気にしない 準面本面 仮釈放」



「ふざけてる 奴は再犯 刑務所へ」


「見る異性 娑婆で見るより 5割マシ」


くだらないことばかりだが、書いているとなぜか落ち着く。



刑務所あるあるも書き留めておく。



「前日に放送されたテレビの話題で盛り上がる」

なんだか懐かしい感じ。小学生とか中学生の頃を思い出す。




「有名人に似ている人がたくさんいる」




「朝ごはんの時ジャムの袋を舐めながら吸う受刑者がいる」



毎日続けていこう。どこまでできるかわからないけど、継続は力なり。


今日は考査期間に行われた教育で、使用したテキストが返却された日。そのテキストの一番最後のページに、刑務所の教育担当支援員から私へ与えられた3つの目標が掲げられていた。




その目標とは・・・




「後先考えて行動」




「堅実な金銭感覚」




「親への複雑な感情の整理と家族関係を考える」



この目標は、考査期間に行われた自分自身についてのアンケートや、支援員さんとの面談で話した内容、そして事件の内容を加味して与えられているもので、受刑者一人一人全く異なっているもの。

私の場合は、後先考えずにその場しのぎの判断での行動が多かったのと、一般的な方たちとの金銭感覚のずれ。そして、両親や兄弟と疎遠になってしまったことがあり、この部分を主に矯正しなくてはならないと判断された。

その目標とともに、支援員さんからのメッセージが綴ってあったのだが、なぜかそのメッセージの最後には、ドラゴンボールのスーパーサイヤ人バージョンの孫悟空のスタンプが押してあって、真面目に伝えているのかふざけているのかよくわからなかった。



世間では様々なことが起きている。阪神大震災から22年が経ち、アメリカではトランプ大統領が誕生、相撲では稀勢の里が初優勝。世の中は動いているのに刑務所の時は動かない。止まったままのように感じる。毎日が単調で、決まった通りに動かなければならない。それでもその中で何かを見つけて、自分から動き出さないと、この刑務所での時間が無駄になってしまう気がしてそわそわする。だからやる。英語に韓国語。高卒認定試験に向けての勉強。たくさんの本を読み、本で読んだことを実践していく。



やらなくちゃ・・・




何事も動かなければ始まらない。




全ては順調に進んでいる。人生の成功に向けて。




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