カナダを跨ごう 〜ローマも添えて〜 【10日目:トロント〜モントリオール(1/1)】
今日はナイアガラの滝を観光し、モントリオールまで北上する。まずはこの時期の平日朝には1本しかないNiagara Falls GO駅直通のGO trainに乗るべく、朝のトロントを疾走する。駅のスタッフに急かされながら乗り込むは、某都知事の黒歴史を具現化したかのごとき全二階建て列車のGO Trainである。
GO Trainはトロント駅を中心とした近〜中距離の鉄道輸送を担ういわば"M電"で、そのうち今回乗るLakeshore West線はオンタリオ湖沿いにアメリカとの国境の町ナイアガラまで延びている。この列車のイメージとしてはまさに、WiFiとコンセントを装備した世界の215系といった感じだ。車内チャイムが飛行機のベルトサイン点灯の時と同じで、事ある毎に腰周りが気になるのが玉に瑕であるか…
揺られること約2時間、ナイアガラの滝からは絶妙に離れたNiagara Falls GO駅で降ろされる。ここからはバスに乗り換えて滝まで行くか…とバス停に向けて歩いていると、横から「日本人ですか?」と声をかけられた。なんと異国の地で、ついに同じ国を郷とする同志に声をかけられたのである!!彼らはなんと新婚旅行中のご夫婦で、後にわかる事だが同い年でもあった。このおふたりもナイアガラの滝に行きトロントに帰るようで、お誘い頂きご一緒させてもらうこととなった。
1.5週間ぶりの直接的な日本語会話、更にタメともなれば自然と話が弾む。旦那さんもカメラを持っていたので、3人で写真を撮りつつ滝沿いを散歩することにした。幸いにも天気も良く、平日ゆえ人も少ないので、滝沿いの虹を独り占めできた!
おふたりとも非常にフレンドリーな方で、なんとご厚意で昼食までご馳走してもらうことに!!!
ここまでの食事といえば、独り宿でテイクアウト飯を食らうか食堂車で慣れぬ英語に挑みながらのものだったので、久しぶりに日本語で会話しつつ落ち着いて食事をすることが出来た。ここでの話は、ずっと胸の内に留めておこう。
旅先、しかも海外でこんなにも奇跡的な出会いがあるものなのだろうか。結婚したてのおふたりの思い出にに私なんかが混ざってしまうのも今思えば申し訳ない限りだが、正直ここまでの10日間の中でぶっちぎりで楽しく、そして思い出に残る1日であった。結局お名前しか伺えず連絡先などは交換しなかったままの正しく一期一会といった感の出会いである。
あっという間に日は傾き、トロントへの帰路に着く。不便にもこの時期の帰りは直通列車が無いので途中までバスで移動した後列車に乗り換えとなる。日も沈んだ19時過ぎ、トロントに帰ってきた。
お二人はあと数日トロントに滞在されるそうだ。この出会いに心から感謝しつつ、朝列車に駆け込み乗車した自分に感謝しつつ、そして勿論、丸1日ご一緒して下さったお二人にも感謝しつつ、コンコースでお別れした。ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに!!
さて、今日の私の行程はもう少し続く。
お二人と別れた後、空港行きの列車に飛び乗ってトロントピアソン空港へ。初めての海外国内線に少々戸惑いつつ、モントリオール行きのWestJetに乗り込む。
いっときの連続墜落事故で不名誉にも有名になってしまった737MAXであったが、無事にモントリオール国際空港に着陸。なるほど流石フランス語圏なだけあって、あらゆる広告等の掲示物やアナウンスがフランス語優先である。何となく、人々の話す言語もフランス語(だと思う)が多い気もする。少々の不安を抱えつつ、空港内を練り歩き程よいベンチを見つけ、荷物を枕に朝を待つのであった。
ベンチ、固いなぁ…
明日はケベックまで足を伸ばす。