どんぶらー効果|うさヒトてつがく #2
「わたしにとって」 の しあわせが流れてくる音
我が家の灰色うさぎ「うさ地蔵」は、たまのおやつを心待ちにしています。
特に大好きなものはリンゴ。
わたしがリンゴを食べるとき、ほんのちょーっとだけ、おすそわけすることがあるのです。
一緒に食べるリンゴは格別。
同じものを、同じときに食べる。
こんなぜいたくがあるだろうか。
うさ地蔵、うさぎだけに大変耳がよろしい。
「ショロショロショロ…」
とリンゴの皮をむく音が聴こえはじめると、もう!なわばりをぐるんぐるんぐるん!と運動会をはじめるのです。あげられないことも多いのだけど。ごめんよ、うさ地蔵。
ちいさな しあわせ は、毎日近づいては流れていき、逃すことも多いけれど、逃してもまた、どんぶらこ と近づいてくるもの。
いわば、しあわせの桃(うさ地蔵にとってはリンゴ)に出会うために生きているのかも。おばあさんが川に洗濯に行って桃を見つけたように、日常の営みの中で、どんぶらどんぶらと浮いては沈み、流れゆくちいさな桃を拾って、味わって。
それでまた、洗濯に行って。桃を見つけて。
家の洗濯機を回し、服を干すたびに、そんなことを思うのです。きっと時間の流れに、見えない桃が浮かんできているはずだよ。
ていねいな暮らし、ができているわけでもなく、目指しているわけでもない。毎日のこまやかなことから感じることを、おろそかにしたくないだけなのです。
「わたしにとって」の しあわせが流れてくる音は、とてもささやかで ちいさい。いつ流れてくるのかもわからない。
だから、うさ地蔵のように耳をピン!と立てて、しあわせの音に気づいたら まっしぐらに駆け出していきたい。
わたしをわたしが助けていくために。
[ 日誌はつづく ]
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