小規模多機能型居宅介護をおすすめする4つの理由
以前、施設に入らなくても、自宅にいたまま介護サービスを受ける方法があることを書きました。
そうは言っても、自分の親がデイサービスに行くのがいいのか、訪問介護に来てもらった方がいいのか、どういう頻度で組み合わせればいいのか、といったことをあれこれ考えるのってすごく難しいですよね。
介護が始まる前からベストな介護サービスを決めるのは不可能に近いです。では、どうしたらいいのでしょうか。
そういうときにおすすめなのが、「小規模多機能型居宅介護」です。
1. 「小規模多機能型居宅介護」とは
小規模多機能型居宅介護とは、同一の介護事業者がデイサービス・訪問介護・ショートステイを一体的に提供してくれるものです。
これまでの介護サービスは、利用者や家族の状況に合わせてデイサービス・訪問介護・ショートステイの組み合わせを選択し、それぞれの事業者と必要なサービスを契約するという形でした。
しかし、利用者の状況は日々変化するため、その都度利用するサービスの変更が必要になります。サービスの変更には、その都度事業者探し・契約手続き・信頼関係構築などが必要となり、利用者や家族ともに大きな負担が生じます。
このような負担や不安を解消し、柔軟なサービス設計を可能にするのが小規模多機能型居宅介護です。(長いので以下「小規模」といいます)
2. 小規模のメリット
(1) すべての介護サービスをひとつの事業所から受けられる
小規模の場合、すべての介護サービスをひとつの事業者から提供してもらうことになるため、訪問介護に来てくれるヘルパーさんが、デイサービスに行ったときにもいることになります。
いつも同じヘルパーさんが近くにいてくださるのは利用者にとって大きな安心につながります。
同じヘルパーさんと顔を合わせる機会が多くなるので、信頼関係をつくりやすいです。
(2) 介護事業者との契約が楽
在宅での介護サービスを利用する場合は、訪問介護の事業者、デイサービスの事業者、ショートステイの事業者それぞれと個別に契約を結ぶ必要があります。
これって結構大変ですよね。私の場合は小規模との契約だけだったのですが、それでも契約書に
親の名前・住所の記入
自分の名前・住所の記入
捺印
を父と母の二人分やるのは、なかなか骨の折れる作業でした。これをデイサービス・訪問介護・ショートステイで別々の事業者とやることを考えるとぞっとします。そういった契約手続きの手間を大幅に省略できるのは、小規模の大きなメリットです。
(3) 月額定額で、状況に応じて柔軟にサービスを組み合わせられる
小規模の場合、要介護度に応じて月額の料金が決まっているので、必要なコストの計算が分かりやすいです。
介護はただでさえ考えること・気にすることがたくさんありますが、小規模を使えば「今月はあといくら分の介護サービスを受けられるのか」といったことに頭を悩ませる必要がなくなります。
もちろん提供してくれるサービスは要介護度に応じて限度はありますが、ケアマネさんが利用者の状況に応じて最適なサービスを提案してくれます。
(4) 利用者・ケアマネ・ヘルパー間の連携がスムーズ
これは私が日々強く感じていることなのですが、小規模の方がケアマネさんとヘルパーとの連携がスムーズのように感じます。(あくまでも個人的な意見です)
サービスごとに別々の事業者と契約する場合、ケアマネさんは各事業者からは独立した立ち位置になります。
しかし小規模の場合は、ケアマネさんも小規模の職員です。
だから何かあったときにはケアマネさんに連絡すればすぐにヘルパーさんに話を通してくれるので、対応がとてもスムーズです。
対応がスムーズなのでこちらとしてもケアマネさんに相談しやすく、いい信頼関係が構築できていると感じます。
3. 小規模のデメリット
正直に言って、私自身は小規模に特にデメリットは感じていないのですが、一般的には以下のことがデメリットとして言われています。
小規模に変更する場合、なじみのケアマネから小規模専属のケアマネに変更が必要。
「ショートステイ」だけは別の事業者に頼む」といったように、部分的に事業所を変更することはできない。
ひとつの事業者がすべてのサービスを提供するので、事業者との相性が合わなかったときがきつい。
おわりに
今日のまとめです。
自宅で介護サービスを受ける場合に、小規模多機能型居宅介護を選択するのはとてもオススメ
小規模だとデイサービス・訪問介護・ショートステイで同じヘルパーさんが対応してくれるので安心
小規模は契約手続きが楽
あなたのご両親の希望に合ったすてきな介護事業者と出会えることを心からお祈りしています。
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