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お城がおうち?
だいぶ前のことだが、連れ合いが、仕事であるチェリストと一緒になった。
室内楽だったか弦楽アンサンブルだったか…
コンサート会場は、そのチェロの女性の家のそばということで、
「じゃあ、前日はうちに泊まればいいわよ。」
と言ってくれた。
ドイツ人は、日本人よりずっと簡単に泊めたり泊まったりする。
住所をもらって行ってみると、そこはお城だった。😳(写真は別の城)
敷地に入っても建物は遠い。
建物にたどり着いても、どこから入って良いのかわからない。
「この部屋を使ってね。」
と通された部屋は、天井あくまで高く、天蓋付きのキングサイズどころではない古い巨大なベッドがドーンと置かれていた。
腰かけると足がぶらぶらしちゃうような嵩のあるヤツね。
ここは、一部、観光客にも公開されている。
ある日、チェリストが自室でくつろいでいると、突然ドアが開き、日本人の団体(当時はカメラを首から下げているアジア人観光客は日本人だった。)がドヤドヤと入ってきて写真を撮り出した。
彼女は必死に叫ぶ。
「エクスキューズミー、ここはプライベートルームなのよ!」
全然通じない。
日本人たちは写真を撮り終わると、嵐のように去って行った。
というようなことも起こるらしい。
ここは、彼女のお兄さんが当主である。
お兄さんの奥さんになった人は、古い重厚な家具がお気に召さず、全部屋根裏にぶち込んでIKEAの家具を入れてしまったそうだ。
私の職場にも、姓にvonが付く人がいる。
元貴族の家柄の人である。
「ねえねえ、お宅はお城がある?」
と聞くと、
「今じゃ名前だけ。大抵の元貴族は城なんか維持できない。」
そうだ。
もう1人の同僚は、おじさんが今でも城を所有しているそうだが、改修工事の費用が出せずボロボロらしい。
でも、「うちのお城」って、ちょっとロマンチック💕。