『満ちてゆく』MVを何度も観ていたら…
※途中から妄想入ってます。ご了承ください。
藤井風さんの新曲『満ちてゆく』…カラカラの心に恵みの雨が降り注ぎ、あっという間に心が満タンになってふぁ〜と溢れ出るようなイメージ。「満たされる」だと受身な感じがするし、「満ちている」だと常に満タンな感じがする。「満ちてゆく」と聞くと、そこにある幸せに気づくことで、見えなかったものが見えるような、閉ざされた扉が開くような瞬間を感じる。
この『満ちてゆく』は映画『四月になれば彼女は』の主題歌。映画を観る前にこのMVを見て欲しいということだろう。監督はどちらも山田智和さん。山田智和監督と言えば『青春病』これもまた一編の映画のような作品で、BTSも心に刺さった。
『満ちてゆく』MVの主人公は、『青春病』の青年より少し歳を重ねたサラリーマン。上司に否定され、営業もうまくいかず、酒に逃げると喧嘩になり、踏んだり蹴ったりの毎日だ。愚痴を聞いてくれる友もいない。
こんな時、母ならどんな言葉をかけてくれるだろう。そんなことを思っていると目の前に母の姿。いるはずないと思いつつも追いかける。いつしか思い出の楽器店の前に立っていた。いつか弾いてくれたその曲を奏でてみる。今もピアノは時々弾いているよ。お母さん。どうして何も言ってくれないの。どうしてそばにいてくれないの。
なかなか手に入らないもの、みんなが欲しがるものが欲しくなる。本当に欲しいのかも分からないままに。そのくせ必死で手に入れた途端、興味が失せてしまう。「愛」もそうなのかもしれない。いつも自分を愛してくれる人はほったらかしで、振り向いてくれない人を追いかける。お母さんもずっといてくれると思っていた。いなくなると分かっていたらもっと一緒にしたいこと、聞いてほしいこと、見せたいものがあったのに。
一緒にいてあげられなくてごめんね。でも、姿はなくともいつもあなたのそばにいる。何もできないけれど祈っている。どうか健やかに。幸せに。笑っている顔、ピアノを弾く姿が見られると安心するわ。あなたがどれだけ年老いても永遠に大切な存在。あなたがこちらに来たら二人ともあの頃に戻れるのかしら。それとも私がもっとおばあちゃんになるのかしら。今度は私があなたの娘になるのもおもしろいわね。こちらはこちらで楽しんでるからできるだけゆっくり来てね。
走ってたどり着いたのは教会。扉を開ける。ここも母に連れてきてもらった場所。神様。母のいないこの世界で僕はどうやって生きていけばいいのでしょう。
そうか。いないと思ってたけどいつもここ(自分の中)にいてくれたんだ。お母さんのことを描こう。お母さんとの思い出、お母さんに見せたいもの、聞かせたい話を書こう。あの美術館に飾ってもらったお母さんの絵、まだあるんだよ。お母さんの物語はなかなか完結しなくて。もう続きはお母さんに再会してからになるかもしれないな。
お疲れさま。最期まで書き続けてくれてありがとう。やっぱり完結しなかったみたいだけど、完結する人生なんてないかもね。生まれてきてくれてありがとう。生きてくれてありがとう。いつも思っていてくれてありがとう。たくさんの愛をありがとう。これからはずっと一緒ね。
っていう人生を想像したよ。今日はお父さんにもらったサングラスつけてきた。どう?似てきた?まだしばらくこっちでがんばるから気長に待っといてな。(妄想終わり)
…こんなに何度観ても泣けてしまうMVは初めてです。この主人公に息子を重ねてしまうからでしょう。特に酔って喧嘩になるシーンは、コンビニでパニックになった息子を必死で押さえながら「こんなことしたらあなたの居場所がなくなる!もうどこにも出かけられなくなるよ!お願いだから落ち着いて」と心の中で唱えていた(実際に言っていたかも)のを思い出します。駆け寄って抱きしめたい衝動に駆られました。最後に笑顔が見られてホッとしました。幸せでいてください。
※2024/3/28 追記 また変なタイトルのショートが。胸が苦しくなってしまう人たちへの配慮でしょうか。まんまと笑ってしまいました。さすがです。
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