【全面改訂】欧文書体好きのための Monotype サブスクリプションのすゝめ
Monotype とは
英国に Monotype(モノタイプ)というファウンダリー(フォントメーカー)があります。100年以上の歴史があり、近年、Linotype を始めとする他のファウンダリーを次々買収し、現在欧文書体に関していえば最大手の企業となっています。
この Monotype の書体は、同社が運営する MyFonts で個別に購入可能ですが、それとは別に、同社がライセンスを持つフォント15万種以上(※ウェイト違いをカウントに含む)が利用可能になるサブスクリプションプランを提供しています。プランの内容により利用可能な範囲が異なりますので、以下サイトの情報を元に解説いたします。
▲ Monotype サブスクリプションはこちらより
サブスクリプションプランの種類
以下のいずれも、専用のフォント管理アプリケーションを使い、ネット経由で同期を行ってフォントをインストールして利用します。アプリは契約後にダウンロード可能となります。
Create + Pitch: $99/yr
年99ドル(15,000円程)のプランで、Made for Creative Agencies(クリエイティブエージェンシー向け)となっています。
ただ注意しなくてはならないのは、これは Pitch(ピッチ=プレゼン)向けプランだということです。クライアントにプレゼンする分には追加料金なしで利用可能ですが、実際商用として世に出す場合は使用したフォントのライセンスを個別に購入する必要があるようです。
Create + Deploy: $199/yr
年199ドル(30,000円程)のプランで、Made for Individuals and Small Teams(個人または少人数事務所向け)となっています。
本プランは Deploy(デプロイ)ライセンスを含んでおり、フォントを使用した印刷物その他を世に出せます。が、サイトを見ると「10点まで (10 Production Fonts)」となっています。ただこの「10点」が、何をどうカウントするのかが不明です。また点数も1契約につきなのか、1年もしくはひと月でなのか、ポスターやフライヤー、Webサイトなどで同じフォントを使った場合はどうカウントするのか、11点以上必要な場合は、などなどが全然分かりません。問い合わせ必須です。
Made for Large Brands
一定規模以上の企業向けのプランです。
Web Kit Light: $2,500/yr(年間約37万円)
Web Kit: $7,500/yr(年間約112万円)
Standard: $20,500/yr(年間約300万円)
というのがありますが、「Webキット」という名前が気になります。デスクトップライセンス(印刷物向け)は含まないのか? その辺りが不明です。
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いずれのプランも、申し出なけりゃ印刷物にはいくらでも使い放題の(ダメです笑)、性善説に基づいた制限となっています。どうコントロールするのかさっぱりです(Web フォントはさすがに利用状況がバレるでしょう)。モリサワなどと同様の使い放題プランにすればスッキリするのにな、と思います。ただ以前は Web フォントのみのプランだったものが、デスクトップを含むようになったので、ユーザーが声を上げ続けるのは大事ではないでしょうか。
しかし現状はちょっと不便も多そうで、契約の際には疑問点を徹底的に問い合わせた方が良さそうです。Monotype には日本支社もあり、日本人スタッフもおりますので、少しでも疑問があれば問い合わせをお願いします。現状、私は仕事で使う機会がないので(涙)問い合わせてないです。
提供書体紹介(ほんの一部)
Monotype は多数のファウンダリーを傘下に収めていますが、そのすべてのフォントをサブスクリプションで提供してる訳ではありません。 Monotype の他は、Linotype、ITC、Bitstream のものが多数提供されています。
もうひとつのサブスク:Monotype LETS
日本のフォントワークスのフォントサブスクリプションプラン「LETS」にも、Monotype のプランがあります。価格が年49,500円と少々高く、提供書体も1万種程度ですが、利用可能範囲がスッキリと明快なので、多分こっちが使いやすいです(笑)。
オマケ情報:「モノタイプ」の発音
私は「モノタイプ」をアクセントを付けずにフラットに発音しますが、海外在住の日本人は「モ⤵ノタイプ」とモにアクセントを付けますね(笑)。これが英語の発音と近いのだと思います。