
「ビジネス文書・手紙・年賀状などにおける新年のあいさつ定型文について」

今回は、2025年も幕を開け、本格的に街の中が動き始めたということもあり、年始の挨拶メールや文書を書く際の背景やポイントについて考えていきたいと思います。
1. 時候の挨拶(新年の祝辞)
時候の挨拶は、挨拶文の冒頭に書かれる部分で、新年の訪れを祝う言葉が中心となります。この部分の役割は、「新しい年を迎えた喜びを共有すること」と「相手に敬意を表すこと」です。
定型文の例
謹賀新年
最も簡潔で格式高い表現。「謹んで新年をお祝い申し上げます」という意味です。
年賀状やフォーマルなメール・文書でよく使われます。
一語だけで完結するため、ビジネス文書のタイトルや見出しにも適しています。
あけましておめでとうございます
一般的で広く使える表現。
ビジネスからプライベートまで、あらゆる相手に使いやすい言葉です。
メールでは、この挨拶に続いて「本年もどうぞよろしくお願いいたします」と結びの言葉を加えると自然な流れになります。
謹んで新春の祝詞を申し上げます
「謹んで」という言葉が加わることで、よりフォーマルなニュアンスになります。
主に目上の人や取引先に向けて使用される表現。
寒中お見舞い申し上げます(喪中の場合)
喪中の相手に対する年始の挨拶として使います。
喪中の方への配慮として「新年を祝う表現」を避け、季節の挨拶に留めます。
「寒中お見舞い申し上げます。旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします」という形で、感謝やお願いの言葉を添えると丁寧です。
2. 感謝の言葉
感謝の言葉は、昨年一年間の関係や支援に対してお礼を伝える部分です。これは、年始の挨拶文の中核とも言える部分で、ビジネス文書では特に重要視されます。
定型文の例
昨年中は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます
「格別のお引き立て」は、相手の特別な支援や好意を示す言葉です。
ビジネスメールや書簡で使われる非常にフォーマルな表現。
昨年は格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます
「ご高配」は、相手の配慮や心遣いに感謝を表す言葉。
取引先や上司、目上の方への挨拶で適切な表現です。
旧年中は格別のご厚誼にあずかり、心からお礼申し上げます
「ご厚誼(こうぎ)」は、親しい交際や情のこもった関係を表します。
少し柔らかい表現のため、親しい取引先や長年付き合いのある関係性で使うのが自然です。
ポイント
ビジネスにおける感謝の表現
相手の支援や協力がなければ、前年の成功や成果は成り立たなかった、という感謝の気持ちを伝えます。プライベートにおける感謝の表現
友人や知人に対しては、ややカジュアルに「昨年は大変お世話になりました」などの表現が適しています。
3. 結びの言葉
結びの言葉は、新年の挨拶文を締めくくる部分で、今後の関係に対する期待やお願いを述べます。この部分があることで、単なる挨拶が「これからの良好な関係を願うメッセージ」に昇華します。
定型文の例
今年もどうぞよろしくお願いいたします
シンプルで最も一般的な結びの言葉。
プライベートやカジュアルなビジネスメールでも使いやすい表現です。
本年も変わらぬご愛顧のほど何卒お願い申し上げます
「ご愛顧」は、取引先や顧客に向けて使われる感謝とお願いの表現。
フォーマルなビジネスメールでよく使われます。
本年もご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします
「ご指導ご鞭撻(べんたつ)」は、目上の方や上司に対するお願いの表現。
ビジネスにおける非常に格式高い言葉で、特に部下や後輩が使う表現として適しています。
ポイント
感謝からの自然な流れを作る
感謝の言葉に続けて「今年もどうぞよろしくお願いいたします」などのお願いを加えることで、文章にまとまりが生まれます。関係性に応じた丁寧さを調整
フォーマルな相手には「変わらぬご愛顧」や「ご指導ご鞭撻」を使い、親しい相手には「今年もよろしくお願いします」といったカジュアルな表現を選びます。
4. 喪中の場合の配慮
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