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「きょうのひとこと:清少納言『枕草子』より」
「ものくらうなりて 文字もかかれずなりたり。 筆もつかひはてて、是を書きはてばや。」
(現代語訳):「何となく薄暗くなって、文字も書けなくなってしまっている。筆も使い果たして、これをすっかり書き終えたいものだ」
(解説):この文は、ある状況や心情を表現しています。それぞれの部分を詳しく見てみましょう。
「何となく薄暗くなって」:これは物理的な暗さだけでなく、気持ちや状況が不透明であることも示唆しています。周囲の状況が悪化している、先行きが見えない、あるいは不安や絶望感が漂っているようなイメージです。
「文字も書けなくなってしまっている」:これは具体的には視覚的な暗さから文字を書くことが難しい状況を示していますが、広義には精神的な疲れやインスピレーションの枯渇、あるいは表現する力が失われていることを意味するかもしれません。
「筆も使い果たして」:これもまた、具体的には筆記具が使えなくなったという意味ですが、広く解釈すると、自分の持っているリソースやエネルギーが尽きてしまった、もしくは創作力や意欲が尽きてしまったことを表している可能性があります。
「これをすっかり書き終えたいものだ」:ここで「これ」とは現在取り組んでいる何か(文章、プロジェクト、人生の課題など)を指します。それを完成させたいという強い願望が表れています。尽きかけた力の中でも、何とかして最後までやり遂げたいという意志が感じられます。
総じて、この文は困難な状況の中で自分の力が限界に達しつつあることを感じながらも、何とか目標を達成したいという気持ちを表現しています。物理的な暗さや筆の消耗を通して、精神的な疲弊や困難を象徴的に描写していると言えます。